2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571476
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
上田 直行 久留米大学, 医学部, 助教授 (70148831)
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Keywords | train-of-four刺激 / 顔面神経モニタ / 筋弛緩モニタ |
Research Abstract |
目的 脳外科開頭手術で特に小脳・橋角部(顔面神経周辺)に病変がある場合、主病変の手術操作時に誤って顔面神経を損傷し、永久的顔面神経麻痺という重大な合併症を引き起こすことがある。これを回避するために術野より顔面神経走行予想部に電気刺激を行い顔面筋の誘発反応をモニタする装置を使用する。麻酔に不可欠な筋弛緩薬の通常臨床使用量ではこのモニタの反応を起こさせなくする。この研究の目的は、顔面神経・筋モニタの反応を正しく誘発可能かつ手術そのものに支障のない適切な筋弛緩レベルがどこにあるのかの定量的指標を確立することである。 研究実施状況 小脳橋角部(後頭蓋窩)の腫瘍摘出手術患者を対象にセボフルラン麻酔下に筋弛緩薬、ベクロニウムを間歇的に投与し一定の筋弛緩を得る。筋弛緩薬投与前に、顔面神経・筋モニタ、手と足にそれぞれ独立した2組の筋弛緩モニタ(TOFウォッチSXシステム)を装着し、術中、開頭し、小脳橋角部が露出した時点で、顔面神経走行予想部を脳外科医により電気刺激してもらい、顔面神経・筋反応が出現可能な筋弛緩レベルを手では尺骨神経・拇指内転筋、足では頸骨神経、底屈筋の反応を同時に定量評価を行う。この刺激には四連刺激(train-of-four stimulation)を使用し、筋弛緩レベルが強ければ反応数(TOFカウント)、弱ければ四連反応比(TOF比)として指標を求める。一方、筋弛緩回復の限界の判定は気管内吸引に対する横隔膜反応の有無で判定している。現在のところ、TOF比よりもTOFカウントの方が適切な指標になるようである。
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