2003 Fiscal Year Annual Research Report
周術期の冠攣縮発生における自律神経活動と血小板凝集能の関与について
Project/Area Number |
14571478
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
渡邉 誠之 久留米大学, 医学部, 助教授 (10201196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 信也 久留米大学, 医学部, 講師 (00224600)
原 将人 久留米大学, 医学部, 助手 (10330862)
山田 信一 久留米大学, 医学部, 助手 (90258484)
加納 龍彦 久留米大学, 医学部, 教授 (50040605)
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Keywords | 冠攣縮 / 自律神経機能 / 血小板凝集 / 心拍変動 / 皮膚血流 |
Research Abstract |
今年度は冠攣縮発生時における心臓刺激伝導系障害および協調性心室収縮障害の時空的解析を行うためにデータ取得および解析装置の開発を行った。 経食道心臓超音波装置のアナログ出力を30fpsにてデジタル情報への変換し、手術室内での記録保存するために携帯性を重視した装置を開発に取り組んでいる(Lab View、IMAX、PCI-6020E、PCI拡張ボックス使用)。心臓動画像情報と多系列のアナログ圧情報および体表心臓電気活動の同時記録に取り組んでいる。今後、画像情報(30fps)とアナログ情報(1kHz)採取時における同期問題を解決し、多次元情報の解析を行いたい。 心筋内血流分布の経時的変化測定に関して経食道心臓超音波検査において、超音波造影剤(レボビスト)使用による心筋血流分布解析を行ったが現時点では超音波パルスによるバブルの維持が困難であること、造影効果が予想以上に薄いことから経時的画像解析が困難であることが判明した。今後は心筋血流評価を経食道心臓超音波検査で左右冠動脈開口部における冠血流速度計測し心筋灌流の指標とし評価する。今後、さらに臨床症例を重ね冠攣縮発生時における心筋灌流血流の指標となることを示したい。 血小板機能に関してこれまでヘパリン-プロタミン複合体による血小板凝集能(WBA)の低下と心筋虚血発生に関する検討を行った。今回はその複合体による血小板凝集抑制は血小板凝集塊の育成過程の抑制作用であることが明らかになった(レーザー散乱光を用いた粒子解析PA20)。冠攣縮発生時血管内皮上に発生する血小板凝集塊による冠血流障害の抑制効果があると思われる。今後は非ステロイド系抗炎症薬の静脈投与による急性の血小板凝集抑制性作用が冠攣縮発生時の心筋虚血の増悪を抑制するか検討したい。 来年度は洞結節機能に対する自律神経の関与としてR-R間隔(心拍変動)解析による交感神経副交感神経評価と血管運動に対する自律神経検査として胸部交感神経支配領域における末梢血流量(レーザー血流測定装置)変化の周波数解析を行い、心拍変動と血管収縮拡張活動に対する自律神経支配の(非)共同性を追求し、循環変動を伴わない冠動脈攣縮発生に対する自律神経の関与を検討したい。
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