2002 Fiscal Year Annual Research Report
ラットvivoモデルを用いた一酸化窒素合成補酵素ならびにスタチンが陰茎海綿体機能に与える影響の検討
Project/Area Number |
14571487
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西松 寛明 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60251295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70167609)
武内 巧 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90167487)
鈴木 越 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40313134)
北村 唯一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (70010551)
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Keywords | 一酸化窒素 / NO合成蛋白 / 臭化ビオプリテン / NOS活性 |
Research Abstract |
【目的】臭化ビオプテリン四水和物(tetrahydrobiopterin;以下BH_4と略する。)はカルモジュリンやFAD/FMNとならびNO合成酵素(NO Synthase;以下NOSと略する。)に必須の補酵素であり、高フェニルアラニン血症の治療などに臨床応用されている。今回我々はこのBH_4をラットに経口投与することによって陰茎海綿体の勃起機能をvivoモデルを用いた電気刺激時の海綿体内圧(Intracavernous pressure;以下ICPと略する。)と平均動脈圧(Mean Arterial Pressure ; MAPと略する。)との比率(ICP/MAP)および海綿体内圧曲線下面積(Area Under the Curve ; AUCと略する。)ならびに海綿体を摘出してNO合成酵素(NOS)活性を測定して評価した。【方法】生後12週から4週間、BH_420mg/kg/dayを経口投与したWistarラット(B群;n=5)とvehicleを投与したラット(C群;n=5)を対照とした。血漿でのビオプテリン濃度は、C群125±10pmol/mlに対してB群1150±220pmol/mlと有意に上昇していた(P<0.01)。ペントバルビタール麻酔下に前立腺側面に局在する陰部海綿体神経を白金電極にて電気刺激して得られた勃起時の海綿体内圧をICP/MAP比、AUCの二つのパラメーターにて検討した。また海綿体を摘出してhomogenizeし、^<14>Cでラベルされたアルギニンをシトルリンに変換する効率からCa依存性/非依存性でのNOS活性を測定した(L-[^<14>C]-Arginine-Citrulline Conversion Assay)。【結果】In vivoでの神経電気刺激によるICP/MAP比はC群に比べB群で1.73倍まで増加した(P<0.05)。またMAPは2.14倍まで増加しており電気刺激による勃起状態が持続する傾向にあった(P<0.05)。またCa依存性NOSの活性はC群に比べB群で1.41倍に増加していた。この傾向はDOCA-salt負荷モデル等の高血圧ラットでより強く認められた。またNOS活性はCa依存性NOSで、B群でC群の約1.2倍に増加していた(P<0.05)。またCa非依存性NOSに関しては両群ともほとんど測定されなかった。【結論】BH_4は海綿体内皮の内皮依存性NOSを活性化し、内皮機能を改善させると考えられた。
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