2004 Fiscal Year Annual Research Report
蓚酸および蓚酸カルシウム結晶による腎尿細管上皮細胞傷害とその抑制因子の検討
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14571499
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
吉村 一宏 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20283757)
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| Keywords | 尿路結石症 / 蓚酸カルシウム / HGF |
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| Research Abstract |
【方法】(1)MDCK細胞をconfluentになるまで培養しHGF(0,10,100ng/ml)を投与し、シュウ酸カリウム溶液(0.25mMpH6.5)又はシュウ酸カルシウム1水和物(COM)結晶溶液(500μg/ml)を添加、経時的に培養上清のLDH値を測定した。(2)MDCK細胞をconfluentになるまで培養しHGF(0,10ng/ml)を投与し、シュウ酸カリウム溶液(0.25mMpH6.5)又はシュウ酸カルシウム1水和物(COM)結晶溶液(500μg/ml)を添加。細胞を回収し、Flowcytmetry (FACS)にて細胞のapoptosisについて解析を施行した。(3)MDCK細胞をconfluentになるまで培養し、HGF(0,10,100ng/ml)とCOM結晶溶液(500μg/ml)を加えincubate。上清を捨て、細胞に付着しているカルシウム濃度を原子吸光分析で測定し結晶量を定量。付着抑制活性を計算した。(4)ラット結石形成モデルは0.5%エチレングリコールを連日及び0.5μg Vit.D3を隔日、強制投与。高シュウ酸尿モデルは0.5%エチレングリコールのみ、コントロールは蒸留水を投与。各モデルの腎におけるHGFをELISA法で測定し、免疫染色で検討した。
【結果】(1)in vitroにおいてHGFはシュウ酸カリウム、シュウ酸カルシウムによる細胞傷害抑制作用を認めた。シュウ酸カリウム曝露によるLDHは時間依存性に増加傾向を示した。しかしHGFの投与によりLDHは濃度依存性に減少する傾向にあり、30分、45分では有意差を認めた。(2)HGFの投与によりシュウ酸カリウム曝露では有意差は認めなかったが、シュウ酸カルシウム曝露では、有意にviable cellの増加及びlate apoptotic and necrotic cellの減少傾向を認めた。(3)HGFによるCOM結晶付着抑制を認め、HGF(-)と10ng/ml,HGF(-)と100ng/mlでそれぞれ有意差を認めた。(4)3群において結石形成モデルのみシュウ酸カルシウム結晶の沈着が認められた。結石形成モデルにおいて、HGFは多くの尿細管と一部の間質で発現し、さらに結石の付着した尿細管に強い発現を認めた。高シュウ酸尿モデルでは、シュウ酸カルシウム結晶の付着は認めなかったが、結石形成モデルに近い像を呈していた。ラット結石形成モデル腎において結晶の付着した尿細管にHGFの強い発現を認めた。(5)ラット結石形成モデル腎はnormal controlや高シュウ酸尿モデルと比較してHGF含有量の増加傾向を示した。
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