2002 Fiscal Year Annual Research Report
精子形成過程におけるDNA酸化損傷による遺伝子変異と不妊との相関に関する研究
Project/Area Number |
14571505
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 康秀 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60263307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
續 輝久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40155429)
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Keywords | 生殖細胞 / 精子形成 / DNA酸化損傷 / 遺伝子修復系 / 不妊 |
Research Abstract |
精子形成過程における酸化損傷が、精子形成やその遺伝情報にどのように影響を及ぼしているのか、さらにはDNA酸化損傷と男性不妊との相関についてマウスをモデル動物として解析を行りている。具体的には、DNA酸化損傷修復に関与するMTH1,MYH, OGG1遺伝子欠損マウスを利用し、突然変異スペクトラムの解析用レポーター遺伝子として大腸菌のrpsL遺伝子を染色体中に多数コピー組み込んだトランスジェニックマウスとの交配を行い、自然並びにX線誘発による生殖細胞における酸化損傷による突然変異のDNAレペルでの解析を行う。 平成14年度は、まずMTH1,MYH, OGG1遺伝子欠損マウスそれぞれ単独で、非照射においては1〜20W。また4GyX線照射で1〜20Wにおいて精巣重量変化の測定と組織像観察を行った。その結果、OGG1遺伝子欠損型(-/-)個体に於いては若干、野生型よりも4Gy照射後の精巣重量回復が遅い傾向をみいだしており、現在サンプル数を増やして解析を継続している。また、これまでの突然変異スペクトラムの解析用レポーター遺伝子として大腸菌のrpsL遺伝子を染色体中に多数コピー組み込んだトランスジェニックマウスはrun配列と呼ばれるAAAなど同じ塩基が続く塩基配列において1塩基欠損が特異的に検出され、その他の変異スペクトラムの解析が困難であることが判明したため、アミノ酸配列を変えずにrun配列をなるべく排除した新rpsL遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスを平成14年度は作出した。現在、このトランスジェニックマウスとMTH1,MYH, OGG1遺伝子欠損マウスとの交配を進めている。
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