2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571509
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
木暮 道彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90264548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 拓朗 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20305361)
星野 豊 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30295414)
寺島 雅典 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (40197794)
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
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Keywords | グリーンマウス / 骨髄細胞移植 / 腎傷害と再生 |
Research Abstract |
これまでC57BL/6系マウスに対し12Gy放射線照射後グリーンマウスの骨髄を移植し、移植後1、4、12週にFACS解析により骨髄キメラ率を測定し、蛍光顕微鏡下に腎におけるGEP陽性細胞の分布と陽性細胞数(200倍、/HPF)を検討した結果、骨髄キメラ率は移植後それぞれ40±18.5%、82.6±23.4%、72±18%で4週・12週は1週に比し有意に高値を示した(P<0.01)。以上より本実験系の妥当性が示唆される。そこでB6マウスをレシピエントとし、12Gyの放射線照射後にグリーンマウスから分離した骨髄細胞を移植した。移植14日後に左腎摘出群、腎虚血再環流(腎動静脈を1時間クランプ後開放)群、無処置群(コントロール群)を各々6匹作成した。第1、3、7日後に2匹づつ開腹、腎臓を摘出し蛍光実体顕微鏡で観察した。腎摘群では腎摘7日後に右腎間質および一部静脈内皮細胞に細胞浸潤を認めGFP陽性を思われる細胞が少量認められたが、明らかに腎組織の一部を構成し修復に関与しているわけではなかった。虚血再環流群では虚血側、健側腎ともに虚血後7日目までには、プレリミナリーな実験で得られたほどの尿細管周囲への細胞浸潤は認められず明らかなGFP陽性細胞は観察されなかった。コントロール群においてもGFP陽性細胞は7日目までには観察されなかった。すなわち腎摘または1時間虚血モデルにおいて、術後7日目では明らかな腎組織への骨髄細胞の供給は認められなかった。しかし腎摘群において認められたわずかなGFP陽性細胞が今後どのような組織に分化誘導していくのかを免疫染色などを用いて確認する必要がある。また、教室の腎虚血モデルでは虚血時間の違いによって組織修復における増殖反応の著しい違いが存在することが判明していることから、虚血時間を延長した場合の検討も考えている。さらに術後7日ではまだ骨髄から分化誘導されていない可能性があり、今後腎摘、虚血両群ともに30、60日後と長期にわたる経過を追った検討をする予定である。
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