2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト腎細胞癌のMN/CA9発現における、低酸素状態、低メチル化、VHL異常の役割
Project/Area Number |
14571515
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
趙 順規 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (90285362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00133207)
植村 天受 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90213397)
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Keywords | 腎細胞癌 / MN / CA9 / VHL / DNAメチル化 |
Research Abstract |
平成14年度は下記の2つの点について検討した。 1.ヒト腎細胞疵組識におけるMN/CA9発現とMN/CA9プロモーターのメチル化状態 腎摘除術で得られた腎細胞組織(13症例)より抽出キットを用いてゲノムDNA、total RNAを抽出。MN/CA9cDNAのexon1からexon3に至る495bpを増幅するプライマーを用いてRT-PCR法によりMN/CA9発現を評価した。淡明型の11例中10例に発現を認め、非淡明型の2例において発現を認めなかった。次にbisulfite genomic sequencing protocol法によりMN/CA9プロモーター上の6つのCpGサイトにおけるメチル化状態を調べた。MN/CA9発現腎細胞癌10例中9例において、プロモーター領域の低メチル化を確認した。MN/CA9非発現腎細胞癌3例には低メチル化を認めなかった。 2.ヒト腎細胞癌培養細胞株におけるMN/CA9発現とVHL異常、MN/CA9プロモーターのメチル化状態 ヒト腎細胞癌培養細胞株(SK-RC)7種よりゲノムDNA、total RNAを抽出。上記1の方法でMN/CA9発現とMM/CA9プロモーター領域のメチル化状態を調べた。7種中5種においてMN/CA9発現を認め、MN/CA9発現細胞株全種においてMN/CA9プロモーター領域の低メチル化を確認した。MN/CA9非発現細胞株2種には低メチル化を認めなかった。これらの培養細胞株に対してPCR-SSCP法を用いてVHL遺伝子exon1、exon2、exon3上の変異の有無とmethylation specific PCR法を用いてVHLプロモーターのメチル化の有無を調べた。6種においてVHL遺伝子変異を認め、残りの1種においてVHLプロモーターのメチル化を認めた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Grabmaier K., Uemura H, et al.: "Renal cell carcinoma-associated methylation and expression : in vivo and in vitro studies"Urology. 60. 357-362 (2002)
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[Publications] 植村天受, 平尾佳彦: "流血中陣癌細胞の検出方法と臨床的意義"癌と化学療法. 29(10). 1712-1718 (2002)