2002 Fiscal Year Annual Research Report
過活動型膀胱の成因における自律神経受容体サブタイプおよびG蛋白の役割の解明
Project/Area Number |
14571516
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
山西 友典 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90220425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釜井 隆男 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80316562)
辻井 俊彦 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90217307)
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Keywords | 排尿筋 / ムスカリン受容体 / G蛋白 / Rho / サブタイプ / 膀胱底部 / 尿道 / 機能的収縮 |
Research Abstract |
ヒト排尿筋における免疫組織染色:抗ムスカリンサブタイプ(M1-M5)の抗体を用いて、ヒト排尿筋、精管平滑筋における免疫組織染色をおこなった。いずれの組織もM2,M3ムスカリンサブタイプが染まったが、M2の方がより強く染色された。 ヒト排尿筋におけるRho遺伝子のmRNAの検討:ヒト排尿筋において、RT-PCR法により、Rho遺伝子のmRNAの存在を確認した。 ブタ膀胱底部、尿道におけるムスカリン作動薬の検討:ブタ膀胱底部、尿道平滑筋切片(3x8mm)を、5mlのorgan bathに吊るし、約1gの張力で安定させた。約1時間後に、ムスカリン作動薬carbacholを0.1nM-100μMの濃度で段階的に投与し、濃度-収縮曲線を作成した。次に、組織を洗浄し、種々のサブタイプ(M1-M5)選択性抗ムスカリン薬を投与し、サブタイプ選択性を検討した。また別の組織で、KClであらかじめ収縮させておき、ベータ刺激薬(isoproterenol)でcAMPによる弛緩させた組織(cAMP亢進組織)、を作成し、さらには、M3受容体を非活性化させた組織を作成し、同様の実験を行なった。その結果、膀胱底部および尿道縦走筋の収縮は、正常、cAMP亢進組織ともにM3受容体による収縮であったが、M3受容体を非活性化させると、M2受容体による収縮に変化した。尿道輪状筋は、特にcAMP亢進組織では、M2受容体による収縮が観察された。 ヒト排尿筋、尿管平滑筋、精管平滑筋におけるムスカリン作動薬の検討:手術時に摘出された排尿筋、尿管平滑筋、精管平滑筋切片を用い、同様のcarbachol濃度-収縮曲線を作成した。排尿筋は濃度依存性に収縮したが、尿管、精管においては、ほとんど収縮がみられなかった。排尿筋については、種々のサブタイプ選択性抗ムスカリン薬による親和性を測定した結果、正常ヒト排尿筋の収縮は、M3受容体によるものであると結論された。 今後、排尿筋においては、アドレナリン、ムスカリン収縮における受容体サブタイプの研究とともに、その収縮におけるRhoを含む、種々のG蛋白による収縮の関与について検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tomonori Yamanishi: "The role of M2 muscarinic receptor subtypes in mediating contraction of the pig bladder base after CAMP elevation and /or M3 inactivation"Journal of Urology. 167. 397-401 (2002)
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[Publications] Tomonori Yamanishi: "The role of M2-muscarinic receptor subtypes mediating contraction of the circular and longitudinal smooth muscle of the pig proximal urethra"Journal of Urology. 168. 308-314 (2002)