2002 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌に対する複数の治療的遺伝子同時発現アデノウイルスの治療効果増強に関する検討
Project/Area Number |
14571519
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
入江 啓 北里大学, 医学部, 講師 (50193694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 哲 北里大学, 医学部, 助手 (40216114)
岩村 正嗣 北里大学, 医学部, 講師 (20176564)
丸 典夫 北里大学, 医学部, 助手 (00245432)
奥野 紀彦 北里大学, 医学部, 助手 (80317031)
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Keywords | 遺伝子治療 / 膀胱癌 / アデノウイルス / アデノウイルスレセプター / 癌遺伝子 / リボザイム / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では,癌遺伝子治療の効率増強・副作用減少を目的とし、遺伝子導入ベクターであるアデノウイルスの、感染効率の改善や臓器特異性の獲得を主として、検討していくものである.同時に複数の治療遺伝子を効果的に癌細胞内で発現させることによる、治療効果の増強に関しても検討する.アデノウイルスの感染効率に関しては、そのレセプターであるCAR(Coxsackie-Adenovirus Receptor)の標的細胞内での発現量に依存するところが大きい.これまでに本研究では、数種のヒト癌細胞株およびヒト正常細胞株でのCAR mRNAの発現量を、リアルタイムRT-PCR法により定量し、その発現量と実際のアデノウイルスの感染効率に関しての検討を行なった.すなわち、レポーター遺伝子発現アデノウイルスの各ヒト細胞内への導入・発現効率につきその相関を検討した.これにより、CAR発現量と実際のアデノウイルス感染効率が、正の相関を認める傾向が確認された.現在、CAR発現を増強するとされる、Sodium Butyrateの添加による各細胞におけるCAR発現量、およびアデノウイルス感染効率の増強作用につき検討している.これらに並行して、2種の治療遺伝子発現アデノウイルスの、ヒト癌細胞に対する抗腫瘍効果に関しても検討している.すなわち、癌遺伝子erbB2に対するリボザイムと癌抑制遺伝子p53を同時に発現するアデノウイルスベクターの、癌細胞内でのそれぞれの遺伝子の良好な発現を、RNAレベルおよび蛋白レベルで確認した.また、本アデノウイルスの抗腫瘍効果の増強、それに伴う必要投与量の少量化を確認した.
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[Publications] Irie A, Iwamura M, et al.: "Intravesical instillation of bacillus Calmette-Guerin for carcinoma in situ of the urothelium involving the upper urinary tract utilizing vesicoureteral reflux created by a Double-Pigtail catheter"Urology. 59. 53-57 (2002)
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[Publications] Uchida T, Irie A, M, et al.: "Transrectal high-intensity focused ultrasound for treatment of patients with stage T1b-2n0m0 localized prostate cancer : a preliminary report"Urology. 59(3). 39-48 (2002)
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[Publications] Uchida T, Irie A, et al.: "Clinical significance of p53, mdm2, and bcl-2 proteins in renal cell carcinoma"Urology. 59(4). 615-620 (2002)