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2003 Fiscal Year Annual Research Report

卵巣チョコレート嚢胞の癌化に関わるCOX-2並びにフリーラジカルの意義

Research Project

Project/Area Number 14571534
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

田中 秀則  秋田大学, 医学部, 助手 (40344759)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 俊誠  秋田大学, 医学部, 教授 (40002216)
Keywordsフリーラジカル / チョコレート嚢腫 / 卵巣癌 / 癌化 / 子宮体癌 / COX-2 / SOD / eNOS
Research Abstract

卵巣チョコレート嚢胞は類内膜腺癌や明細胞腺癌を高率に合併する。子宮内膜症や卵巣チョコレート嚢胞内の子宮内膜症組織では、PG合成酵素であるCOX-2が強く発現し、多量のPGsを産生していると考えられる。そこで本研究では、卵巣癌におけるCOX-2の発現を検討した。卵巣癌と卵巣チョコレート嚢胞との合併は、全体で5例(8.8%)に認められ、その内訳は、類内膜腺癌2例(22.2%)、明細胞腺癌2例(13.3%)、漿液性腺癌1例(4%)、であった。腺細胞におけるCOX-2の発現は対照群(正常卵巣顆粒膜細胞)で最も低値であった。卵巣チョコレート嚢胞群でCOX-2は対照群に比し有意に強い値を示した(P<0.01)。卵巣癌群では、類内膜腺癌群で最も強い染色性を示し、評価ノモグラムは平均3.9と最も高い値を示した。次に明細胞癌(3.4)、ついで漿液性腺癌の順となった。大多数の症例でCOX-2は、細胞質に瀰漫性、顆粒状に染色された。核内には陽性に染色されなかった。癌巣部分では細胞間差異は目立たず、ほぼ均一に発現されていた。卵巣間質細胞におけるCOX-2の発現は、腺細胞のそれより発現は弱い傾向を示した。以上より、卵巣チョコレート嚢胞の癌化には,過剰に発現したCOX-2が深く関与している可能性があると考えられた。
また、フリーラジカル関連酵素のSODについては、子宮体癌および正常子宮内膜組織にて、発現を比較検討した。方法:1992年から2000年までに秋田大学附属病院産婦人科にて、子宮体癌根治術を受けた子宮体癌51症例のパラフィン包埋標本を用いた。対照群は2相性の月経周期をもち、妊孕能のある正常婦人の子宮内膜23例で、そのうち増殖期が8例、分泌期が15例である。SODの発現はモノクロ抗体を用い、子宮内膜組織について免疫組織化学的に検討した。評価はH-scoreによる定量法で行った。成績:正常子宮内膜におけるSODのH-scoreは増殖期:0.34±0.24、分泌期:0.32±0.17であった。一方、子宮体癌腺上皮におけるSODのH-scoreは0.96±0.50で、対照群に比し有意に強い値を示した(P<0.001)。明細胞癌におけるSODの発現は、他の類内膜腺癌に比べて有意に(P<0.05)高く、また、5年生存率は有意に(P<0.0001)低かった。結果:子宮体癌組織、特に明細胞癌ではCu/Zn-SODの強い発現がみられた。本酵素が体癌患者の予後に深く関わっている可能性が示唆された。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 太田博孝, 田中秀則, 高橋 道, 五十嵐信一, 田中俊誠: "卵巣チョコレート嚢胞と卵巣癌の酸化ストレスに関わる諸酵素の検討"エンドメトリオーシス研究会誌. 24. 157-161 (2003)

  • [Publications] 田中秀則, 太田博孝, 佐藤宏和, 佐藤直樹, 高橋 道, 田中俊誠: "子宮体癌における銅亜鉛スーパーオキシド消去酵素(Cu/Zn-SOD)の発現"子宮筋層病変生検研究会誌. 3. 8-9 (2003)

  • [Publications] Tanaka H, Sato H, Sato N, Takahashi O, Ota H, Hiran H, Tanaka T.: "Adding HPV16 testing to abnormal cervical smear is useful for predicting CIN3-A prospective study"Acta Obstet Gynecol Scand. (in press). (2004)

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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