2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトLHレセプターのシグナル伝達の解明とその臨症的応用
Project/Area Number |
14571540
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
篠崎 博光 群馬大学, 医学部, 助手 (30334139)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯岸 敬 群馬大学, 医学部, 教授 (00209842)
|
Keywords | ヒトLHレセプター / 点突然変異 / 思春期早発症 / TGF-β |
Research Abstract |
ヒトLHレセプターの点突然変異は、男子の思春期早発症の原因となることが知られている。このため、今回我々は、LHレセプターの第3膜貫通領域の変異とレセプター機能についての検討を行った。正常レセプターでは、hCGの用量依存性に細胞内cAMPが上昇するが、我々の発見した変異レセプターを導入するとcAMPの用量依存性が失われた。しかし、hCG添加以前の状態でcAMPの細胞内レベルがコントロールに比して有意に上昇していた。また、cAMPの代謝に関わる酵素であるPDEを測定した結果、無添加の状態で酵素活性が上昇している結果となった。以上のことから、変異レセプターにおいては、コントロールレベルでのcAMPの上昇とhCG添加に伴うcAMP上昇の欠落は、PDE活性の上昇によることが結論できた。これは、患者からのサンプルの解析結果であり、この患者の病態を解明でき、今後の治療法に応用できると考えた。 LHレセプターの発現調節については、ラット卵胞より採取した顆粒膜細胞を初代培養して実験を行った。TGF-βが局所因子としてどのような作用を示すかを検討した。結果は、FSHと共同作用を示して、FSHのLH誘導作用を強く増強した。このことにより、TGF-βはLHレセプターの発現に促進的に作用して局所で重要な役割を果たしている。
|