2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571555
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥川 利治 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90262998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 務 三重大学, 医学部, 助教授 (40252358)
西浦 啓助 三重大学, 医学部, 助手 (80345975)
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Keywords | 腫瘍免疫 / 癌抗原ペプチド / 癌ワクチン / 卵巣癌 |
Research Abstract |
HER2ペプチドをヒトに応用するにあたり、臨床試験用のペプチド(HER2p63-71ペプチド)をオーストラリアのLICR(LudwigInstitute for Cancer Research)から入手(HER2ペプチドのSafetyとQualityに関する検定に合格、FDAにて承認済み)、HER2ペプチドによるワクチン療法プロトコールを作製し、三重大学倫理委員会に臨床試験申請書を提出し、十分な審議を行った後、試験の開始許可を得た。そのさいのpatient eligibilityは、1)癌告知がされており、HER2陽性の癌患者であること、2)HLA-A2402保有者であること、3)手術・化学療法・放射線療法などの標準的な癌治療に抵抗性であること、4)臨床試験について詳細に説明し、十分なinformed consentが得られていることとした。現在、eligibility criteriaを満たす患者に対し、ペプチドの用量増加試験を用いて、有害事象を観察する安全性評価を行っている。投与方法は、1)HER2ペプチドを第1日目、第15日目、第29日目、第43日目、第57日目に皮内注射。用量は1回あたり300μg。さらに、GM-CSFをアジュバントとして併用。2)症例選択:HLA-A2402を有する患者で、PCRあるいは免疫染色により腫瘍におけるHER2の発現を確認。3)定期的に血液検査・画像検査・毒性・有害事象を観察。4)免疫学的反応の観察。1.遅延型過敏反応。2.テトラマー・アッセイ法によりIn vitro抗原特異的末梢血CD8+T細胞数測定。3.抗原特異的末梢血CD8+T細胞の活性化をエリスポット・アッセイ法により定量。4.CTL precursor frequencyの測定。5.患者末梢血から抗HER2性CD8+T細胞クローンを樹立。現在までにワクチンを行った患者さんの有害事象は認めていないが、顕著な効果もみられなかった。
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