2002 Fiscal Year Annual Research Report
RCAS1抗原の発現調節および癌の浸潤・転移における生物学的意義の解析
Project/Area Number |
14571568
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園田 顕三 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (30294929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 新吾 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (40209945)
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Keywords | 婦人科悪性腫瘍 / 浸潤・転移 / アポトーシス / 腫瘍間質 / リンパ球 / 線維芽細胞 / 臨床病理組織学的予後因子 / 分子細胞生物学的手法 |
Research Abstract |
(1)婦人科悪性腫瘍におけるRCAS1発現の意義: 我々がクローニングしたアポトーシス誘導因子RCAS1は婦人科悪性腫瘍において高頻度に発現していることを以前から報告してきた。147例の子宮体癌症例を用いた検討を行ったところ、RCAS1の発現と臨床病理組織学的因子の臨床進行期、筋層浸潤、腹腔細胞診陽性との間に統計学的相関が認められた。さらに多変量解析の結果、RCAS1発現は転移とともに独立した子宮体癌予後因子であることが認められた(投稿中)。現在卵巣癌におけるRCAS1発現の臨床的意義について大規模症例による統計学的解析を遂行中である。 (2)腫瘍対間質相互作用におけるRCAS1発現の意義: RCAS1発現の臨床的意義を踏まえ、RCAS1発現の癌浸潤・転移における役割について基礎的解析を行った。浸潤・転移機構において腫瘍細胞と間質構成細胞との相互作用に着目し検討を行ったところ、子宮頸癌、体癌症例での免疫組織学的解析において、(1)腫瘍間質のリンパ球アポトーシスと腫瘍のRCAS1発現とは相関していたが、他のアポトーシス誘導因子TNF-α、Fas-Lとの間には相関は認められなかった。(2)腫瘍間質線維芽細胞の数量的変化について解析を行ったところ腫瘍のRCAS1発現亢進にともない線維芽細胞数の減少が認められたが、TNF-α、Fas-Lとの間には相関は認められなかった(投稿中)。現在、浸潤に関与する他分子およびRCAS1発現との関連についても検討中である。以上はRCAS1発現が腫瘍の浸潤・転移に関連する分子であることを示唆するが、(3)腫瘍でのRCAS1発現と血管誘導因子VEGF発現が相関するデータが得られており、RCAS1は腫瘍間質の変化を来たし腫瘍対間質相互作用において腫瘍悪性度を増強させる重要な分子であることが考えられる。 (3)分子細胞生物学的手法を用いた解析: (1)RCAS1を発現するSiSo細胞からRCAS1高発現細胞株を樹立した。さらに、RCAS1遺伝子のtrancation mutantを複数種作成した。現在、これらRCAS1mutantを遺伝子導入により発現した細胞の樹立を行っている。今後は樹立細胞での形質、浸潤・転移能、分子発現の差異についてin vitroおよびin vivo解析システムを用いた検討を行う予定である。(2)RCAS1はshedding機構により分泌されるが、sheddingを惹起する細胞膜型proteaseの同定を遂行中である。SiSo細胞培養上清中に分泌されるRCAS1の精製を行い、アミノ酸シークエンスを用いた切断部位の同定を行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ohishi Y, Miyamoto S, et al.: "ATP-binding cassette superfamily transporter gene expression in human primary ovarian cancer"Clinical Cancer Research. 8. 3767-3775 (2002)
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[Publications] Miyamoto S, et al.: "Direct transmembrane clustering and cytoplasmic dimerization of focal adhesion kinase initiates its tyrosine phosphorylation"Biochemica et Biophysica Acta. 1592. 141-152 (2002)
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[Publications] 宮本 新吾: "インテグリンシグナル伝達機構-インテグリンを標的とした分子治療-"分子細胞治療. 1. 59-65 (2002)
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[Publications] Fujita T, Miyamoto S, Sonoda K, et al.: "Expression of lysophosphatidic acid receptors and vascular endothelial growth factor mediating lysophosphatidic acid in the development of human ovarian cancer"Cancer Letters. (in press). (2002)
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[Publications] Fukushima K, Miyamoto S, et al.: "Tumor necrosis factior-α induced apoptosis and integrin switching in human extravillous trophoblast cell line"Biology of Reproduction. (in press). (2002)