2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト精子カルパインの受精能獲得における意義及び男性不妊症への関与
Project/Area Number |
14571577
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尾崎 康彦 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50254280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 真弓 (小笠原 真弓) 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30264740)
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Keywords | カルパイン / ヒト精子 / 受精能獲得 / カルシウムイオン / プロテオリシス / 男性不妊症 |
Research Abstract |
ヒト精子におけるカルパイン(カルシウム依存性システインプロテアーゼ)の存在と精子受精能獲得における意義を検討した。 被検者同意のもとに健常男性精子を実験に供した。HTFを用いイオノマイシン添加による精子内カルシウムイオン濃度をFura 2-AMとFruo 3-AMを用いた蛍光顕微鏡及び共焦点レーザー顕微鏡で観察した。カルパインの存在及び活性動態を種々の普遍的及び組織特異的カルパイン抗体を用いSDS-PAGE、ウエスタンブロット法で検討した。カルパイン活性は膜透過型蛍光合成基質を用い蛍光マイクロリーダーで測定した。カルパインの受精能への関与をカルパインの内因性インヒビターであるカルパスタチンとカルパイン阻害剤(Z-Leu-Leu-H)又は新規カルパイン阻害剤(CX-295)の添加実験で検討した。精子運動率はマクラーチェンバー及び自動解析装置(HTM-IVOS)で、精子先体反応はトリプルステイン法とアクロビーズテストで、精子受精能はハムスターテストで検討した。 ヒト精子に普遍的カルパインであるμ-カルパインが、ヒト精巣には組織特異的カルパイン5の存在が認められた。イオノマイシン添加により精子内カルシウムイオン濃度が上昇しカルパイン活性が増加した。その活性は上記阻害剤によって濃度依存的に抑制された。精子運動率は上記阻害剤により影響を受けなかったが、精子先体反応率と精子侵入率がいずれのカルパイン阻害剤でも濃度依存的に有意に(P<0.05)抑制された。 ヒト精子のμ-カルパインが精子先体反応に関与することで、受精において重要な役割を演じている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)