2002 Fiscal Year Annual Research Report
早産発生過程における前方視的サイトカイン ネットワークの動態と早産予知の検討
Project/Area Number |
14571580
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
谷 昭博 北里大学, 医学部, 講師 (50207164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 信三 北里大学, 医学部, 助手 (00337982)
金井 雄二 北里大学, 医学部, 助手 (00306557)
前原 大介 北里大学, 医学部, 助手 (10286338)
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Keywords | 頸管縫縮術 / IL1β / IL6 / IL8 / TNFα / 切迫早産 / 早産リスク / 頸管粘液 |
Research Abstract |
前方視的検討として妊娠22から24週の妊婦健診受信例と予防的頸管縫縮例23例と頸管縫縮術無効の切迫早産2例の頸管縫縮術前と術後1日から5日までの期間計6回、患者からインフォームドコンセントを得たうえで、頸管内にダクロン綿棒を挿入20秒間静置した後、アルブミン加燐酸緩衝液中に抽出し-80℃に保存し測定に供した。IL1β、TNFα、IL6、IL8の各サイトカインは、BIOSOURCE社製ELISA測定キットを使用した。 結果:正常妊娠例と予防的頸管縫縮術23例術前の頸管粘膜中サイトカイン濃度はそれぞれIL1β(17.0±5.0vs38.2±15.3pg/ml,Mean±SE)、TNFα(8.8±2.8vs2.0±2.0)、IL6(36.1±6.7vs185.8±80.7)、IL8(3654.2±292.2vs2704.6±458.6)で有意差はなかった。術前と術後24時間後から5日間の頸管粘液中サイトカイン濃度は、術前に比べ術後はサイトカインとも濃度上昇を認めるが、IL6以外は有意な上昇ではなかった(IL6:509.6±106.2,309.1±82.1,222.9±51.2,147.7±41.2,160.5±55.6)。さらにすべてのサイトカインともに術後72時間後には術前値レベルを示した。これに対し無効例のうち1例は、術前より1.1(IL1β),0.36(TNFα),1.8(IL6),42.8(IL8)ng/mlと高値を示し、他1例は術後72時間後も0.8(IL1β),0.08(TNFα),0.4(IL6),24.1(IL8)ng/mlと高値が持続し術前からの感染の存在が疑われた。 以上、本年度の結果から、サイトカイン高値例や持続高値例では早産リスクが高く対策が必要と思われる。
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Research Products
(1 results)