2005 Fiscal Year Annual Research Report
原因不明の胎児脳神経障害の発生機序ならびにその予防に関する研究
Project/Area Number |
14571587
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
正岡 直樹 日本大学, 医学部, 講師 (50199668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永石 匡司 日本大学, 医学部, 講師 (70297810)
早川 康仁 日本大学, 医学部, 助手 (10350018)
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Keywords | 胎児脳神経障害 / 臍帯 / 低酸素-虚血-再還流 / 活性酸素 / 抗酸化剤 |
Research Abstract |
昨年度、羊胎仔慢性実験モデルにおいて、free radical scavengerであるedaravoneを母獣に投与することによって、10分間の臍帯血流遮断-再還流時に胎仔脳組織中に大量に発生するhydroxyl radicalを完全に抑制し得ることを報告した。今年度はこの効果を病理組織学的に証明することを目的とした。9頭の羊胎仔慢性実験モデルを作製、そのうち3頭は術後2日目に10分間の完全血流遮断を施行し3日後に、3頭は10分間の臍帯血流遮断終了直前からedaravone200mgを20分間かけて母獣大腿静脈より投与し、その後3日目に、他の3頭はsham operation群として術後5日目にそれぞれ胎仔脳を摘出した。脳を固定後、パラフィン切片を作製、Hematoxylin and Eosin、Bodian、Kluver-Barrera、TUNEL染色を施行し脳神経障害について、実験の背景を知らせず、2名の病理医に検討を依頼した。その結果、10分間遮断群においては胎仔の海馬、基底核部に明らかなischemic neuronの出現、microgliaの増加が、また脳室周囲にはapoptotic neuronの出現を確認した。一方、edaravone投与群、sham operation群では明らかな脳神経障害は認めなかった。すなわちedaravoneは低酸素-虚血-再還流によって胎児に惹起される脳神経障害に対し有力な子宮内治療薬となる可能性を示した。
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Research Products
(2 results)