2002 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的アプローチによるアッシャー症候群の病態解明
Project/Area Number |
14571613
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
岩崎 聡 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00232653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 嘉裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90173608)
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Keywords | アッシャー症候群 / 視聴覚障害 / 疫学調査 / 分子生物学 |
Research Abstract |
わが国における網膜色素変性症の有病率はほぼ3千人に1人であると言われ、その大部分は眼症状のみを示すが、ときに部分症状として難聴がみられ、Usher(アッシャー)症候群はその代表である。遺伝性の網膜色素変性症の29%はUsher症候群であったとの報告があり、人口10万人に対し外国では3.6〜4.4人の頻度でみられ、我が国では1978年の報告で、人ロ10万人当たり0.6人と報告がある。網膜色素変性症の中で聴覚障害を来すことはもっと多い可能性があるのに、今までそのことについてあまり知られていなかった。今回我々はJRPS(日本網膜色素変性症協会)の協力を得て、まず疫学調査を施行し、我が国における網膜色素変性症の中で聴覚障害の実情を調べた。JRPSの約3000人の会員に以下の内容のアンケート用紙を送付した。1、網膜色素変性症と眼科で診断されていますか?2、何歳ごろから視覚障害を自覚しましたか?3、難聴を自覚することがありますか?4、"ある"と答えられた方はいつ頃から自覚しましたか?5、難聴が徐々に進行していると感じていますか?6、耳鼻科に受診して聴力検査を受けた事がありますか?7、現在補聴器を持っていますか?8、耳鳴りを感じていますか?9、耳鳴りを感じている方はいつ頃から感じていますか?10、これまでに、めまいやふらつきを経験することがありましたか?834名から返答があり、回収率は約30%であった。現在データ解析を行っている最中であるが、難聴を自覚している方は約30%、何らかの耳症状がある方が42%認められた。また、現在までに15名のアッシャー症候群の方の協力を得て、視聴覚検査を施行し、また倫理委員会の許可を得て血液サンプルの採取をし、遺伝子変異の有無を解析中である。
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