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2003 Fiscal Year Annual Research Report

アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた頭頸部癌遺伝子治療と抗癌剤の併用

Research Project

Project/Area Number 14571627
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

新濱 明彦  琉球大学, 医学部, 助手 (60284973)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 玉城 三七夫  琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (80325844)
大輪 達仁  琉球大学, 医学部, 助手 (60284981)
幸地 綾子  琉球大学, 医学部, 助手 (30264500)
我那覇 章  琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (00347155)
Keywordsアデノ随伴ウイルスベクター / 頭頸部癌 / 抗癌剤 / 自殺遺伝子 / 集学的治療
Research Abstract

【目的】今回の研究は,頭頸部癌を例として,遺伝子治療の固形癌に対する新たな治療としての可能性につき検討した.研究に使用したアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは,安全で宿主域も広く有用なベクターであり,ある種の先天性疾患においては臨床応用が試みられている.しかし,このAAVベクターを癌治療に応用するためには,一本鎖DNAであるAAVベクターが二本鎖となる効率を促進し,遺伝子発現を高めることが必要である.今回の研究では,抗癌剤がAAVベクターの二本鎖合成を促進することを利用し,抗癌剤とAAVベクターを用いた遺伝子治療を併用して抗癌剤,遺伝子治療それぞれの効果のみならずAAVベクターを用いた場合に特有の増強効果を引き出すことを目的に実験を行った.【方法】前年度に引き続きLacZ遺伝子または自殺遺伝子である単純ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子を組込んだAAVベクター(AAVLacZ, AAVtk)を用いて,ヒト喉頭癌由来のHEp-2細胞及びHeLa細胞に遺伝子を導入し,遺伝子導入効率および殺細胞効果を検討した.更に,トポイソメラーゼ阻害剤(カンプトテシン・エトポシド)との併用効果およびその機序につき検討した.
【結果】遺伝子導入効率の検討では,1細胞あたり10^6のAAVLacZを感染させるとHeLa細胞で約80%,HEp-2細胞で約75%の細胞に遺伝子を導入することが可能であり,AAVtk/GCVでの治療効果は1細胞あたり3X10^5の場合にはHeLa細胞で98%,HEp-2細胞で92%に達した.次に,トポイソメラーゼ阻害剤と遺伝子治療の併用効果を検討するため,合成される二本鎖AAVベクターの量をトポイソメラーゼ阻害剤の有無により,サザン解析で検討した.0.1μM以上のトポイソメラーゼ阻害剤で刺激した場合,無刺激の場合と比較すると二本鎖合成は明らかに増加していた.このような二本鎖合成促進作用は,治療効果にも反映されAAVベクター3X10^5の際にトポイソメラーゼ阻害剤は,殺細胞数をカンプトテシンで約9倍,エトポシドで約5倍まで増強し,最終的にほぼ全ての細胞を死滅させることが出来た.今回の研究は,臨床許容量のトポイソメラーゼ阻害剤濃度で行われており,今回最適化された条件は,今後の臨床研究にむけて重要な指標となり得ると思われる.

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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