2004 Fiscal Year Annual Research Report
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた頭頸部癌遺伝子治療と抗癌剤の併用
Project/Area Number |
14571627
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新濱 明彦 琉球大学, 医学部, 助手 (60284973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸地 綾子 琉球大学, 医学部, 助手 (30264500)
我那覇 章 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (00347155)
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Keywords | アデノ随伴ウイルスベクター / 頭頸部癌 / 抗癌剤 / 自殺遺伝子 / 集学的治療 |
Research Abstract |
【目的】今回の研究では,抗癌剤がAAVベクターの二本鎖合成を促進することを利用し,抗癌剤とAAVベクターを用いた遺伝子治療を併用して抗癌剤,遺伝子治療それぞれの効果のみならずAAVベクターを用いた場合に特有の増強効果を引き出すことを目的に実験を行った. 【方法】LacZ遺伝子または自殺遺伝子である単純ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子を組込んだAAVベクター(AAVLacZ, AAVtk)を作製し,これらをヒト喉頭癌由来のHEp-2細胞及びHeLa細胞に感染させ,GCV濃度によるこれらの殺細胞効果を検討した.また増強効果が最も期待できる抗癌剤であるトポイソメラーゼ阻害剤(カンプトテシン・エトポシド)の有無によるガンシクロビル(GCV)に対する感受性につき検討した. 【結果】ガンシクロビル(GCV)に濃度によるAAVtkを導入したHeLa細胞とHep-2細胞の殺細胞効果の検討では,1μ/mlの濃度のGCVで90%のHeLa細胞と47%のHep-2細胞が死滅した.また10μ/mlの濃度のGCVで98%のHeLa細胞と96%のHep-2細胞が死滅した. 次に3μ/mlにGCVを固定しAAVベクターの量を変えて殺細胞効果を比較した.AAVtkの量が3×10^4particles/cellのとき50%のHela細胞が死滅した.10×10^4particles/cellのとき90%のHela細胞が死滅した.またAAVLacZに比してAAVtkのほうが殺細胞率が高かった. トポイソメラーゼ阻害剤との併用効果では,HeLa細胞に対する対する効果では3μ/mlにGCVを固定,エトポシド0.1μM, AAVtkの量が3×10^4particles/cellのとき53%のHela細胞が死滅,エトポシド10μM, AAVtkの量が3×10^4のとき84%のが死滅し21倍の増強効果が,Hep-2細胞で5倍の効果が得られた.
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