2002 Fiscal Year Annual Research Report
輪郭抽出法を用いた顔面神経麻痺の客観的評価法の開発
Project/Area Number |
14571633
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
國弘 幸伸 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10170010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 敏幸 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (20217053)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 評価法 / コンピュータ / 輪郭抽出法 |
Research Abstract |
今年度は、ふたつの面から研究を進めた。 ひとつは、ソフトウェアの開発である。輪郭抽出法に関するアプリケーションはすでにあったが、ユーザーインターフェースを改良して、より使い勝手のよいものにした。また、昨年春の時点では解析エラーの発生率が約50%以上であったが、現在はエラーの発生率は20%にまで低下した。ダイアログウィンドウが画面の中心に出て邪魔であるなど、まだ改善していくベき部分は多いが、αバージョンと呼べる程度のものはでき上がった。また、これと平行して、オプティカルフローを用いた顔面神経麻痺の解析プログラムもプロトタイプもでき上がった。 もうひとつは、輪郭抽出法による顔面神経麻痺の評価結果と、40点評価法やHouse-Brackmann法などの視診による評価との比較検討を行った。眼の輪郭と口唇の輪郭を抽出し、この輪郭データを元に我々が設定した7つのパラメータ(口唇領域の左右の面積比、口角点の位置の比、口角の角度の比、口角の傾きの絶対値、口唇輪郭の円形度、口唇輪郭重心と顔面中心軸との距離、弱閉眼時と安静時の眼の面積比)を設定し、顔面神経麻痺の程度を定量的に表した。この定義によって求められた数値(麻痺の程度)は、顔面神経麻痺が改善していく過程をよく表しているばかりでなく、上述した視診による顔面神経麻痺の評価結果とも良好な相関を示した。特に、口唇領域の左右の面積比や口角点の角度といったパラメータとの相関が良好であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 田中敏幸, 根本順子, 國弘幸伸: "輪郭抽出法に基づいた顔面神経麻痺の定量的評価法(3)"Facial N Res Jpn. 22. 99-101 (2002)
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[Publications] Tanaka T, Orukawa S, Yoshida N, Kunihiro T: "Indices of facial features obtained from coutour extraction with image processing and its application to objective estimation of facial palsy"Keio University International Symposia for Life Sciences and Medicine. 149-158 (2003)
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[Publications] Nemoto J, Tanaka T, Kunihiro T: "An Objective Evaluation Method of Facial Palsy by Feature Extraction"2nd European Medical & Biological Engineering Conference, IFMBE Proc. 3. 1142-1143 (2002)
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[Publications] Kunihiro T, Higashino T, Kanzaki J: "Classic hypoglossal-facial nerve anastomosis after acoustic neuroma resection. A review of 46 cases"ORL. 65. 1-6 (2003)
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[Publications] 南谷晴之, 國弘幸伸, 他: "顔表情運動の画像解析による顔面神経麻痺の診断システム"医用電子と生体工学. 41(印刷中). (2003)