2003 Fiscal Year Annual Research Report
Explant Cultureを用いた鼻粘膜アレルギー反応過敏性亢進の制御法の開発
Project/Area Number |
14571642
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大久保 公裕 日本医科大学, 医学部, 助教授 (10213654)
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / 花粉症 / サブスタンスP / 気道過敏性亢進 / 好酸球 |
Research Abstract |
アレルギー反応における気道過敏性の亢進のメカニズムや免疫反応に迷走神経sensory endingに局在するsubstance P(SP)が深く関与している。昨年の研究ではSPの鼻粘膜への作用として好酸球浸潤に与える影響を検討した。Ex vivo培養システムを用いて検討を行ったが、この培養液中への好酸球遊走は外因性のSPによって亢進した。またこの亢進はペプチデース阻害薬の投与によりさらに亢進した。以上のことから内因性SPでも好酸球浸潤を生じさせるが、鼻粘膜内に存在するSPの分解酵素がそれを調節していることが示唆された。今年度の研究ではまずSPの増加発現機構を知る目的でSP mRNAのリアルタイムPCRの測定系を構築した。測定系はSPの前駆体であるプレプロタキキニンmRNAのスプライシングバリアントをすべて検出できるよう増幅領域はexon1、exon2として設計した。予備実験として花粉症患者の血清、鼻粘膜でSP mRNAの検討を行ったが、花粉飛散季節に鼻粘膜中ではなく、血清中のSP mRNAが増加する傾向が認められた。花粉飛散季節の前では検出限界以下であった。このことから鼻粘膜局所でのSP mRNAの亢進は全身性に制御されている可能性が示唆された。これはEx vivo培養システムのモデル実験ではSPの産生亢進は生じさせられないことも意味するが、検証されていない。そこで現在Ex vivo培養システムでのSP mRNAの亢進メカニズムを証明できるか最終の検討に入っている状態である。またその亢進メカニズムを酵素がどのように制御し、本当にアレルギー性鼻炎の非特異的過敏性亢進の制御が可能かどうか来年度の課題としている。
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