2002 Fiscal Year Annual Research Report
COCH遺伝子プロモーターを用いた新たな内耳特異的遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
14571644
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
池園 哲郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (80277491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 淳 日本医科大学, 医学部, 助手 (10307952)
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Keywords | COCH遺伝子 / 内耳特異的 / 遺伝子治療 / Cochlin / アイソフォーム |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、COCH遺伝子発現の2つの特異性、つまり組織特異性、発生過程の時期特異性の検討である。 先ず動物臓器蛋白を用いて、ウェスタンブロッティングにより臓器別のCochlin発現レベルの検討を行った。抗Cochlin抗体で陽性の臓器は内耳、大脳、小脳、脾臓、胸腺の5個であった。内耳以外の臓器に発現している蛋白は、内耳に発現しているCochlinアイソフォームの分子量とは異なっており、これらの臓器にはCochlinと相同性の高い配列を持つ蛋白が発現していると考えられる。また、内耳以外の臓器での抗Cochlin抗体陽性蛋白の発現量は、内耳の10から100分の1程度であった。これらの結果からCochlinは、他の遺伝性難聴原因蛋白とは異なり、その発現の内耳特異性が非常に高い遺伝子であることが判明した。 さらに、内耳でのCochlin発現を検討するため、我々は抗Cochlin蛋白抗体を用いて免疫染色を行い内耳発現の局在を検討した。ラット過牛の染色ではアイソフォームp60はコルチ器を含めたより末梢側、p40は蝸牛軸まで及ぶより中枢側に発現を認めた。各アイソフォームごとの発現部位を前庭系を含めて更に詳細に検討している。対象組織としてラット、ヒト内耳を用いている。ヒト内耳組織切片は共同研究者であるスウェーデン・ウプサラ大学のRask-Andersen博士から供与され現在免疫染色は順調に進んでいる。 さらに、今後COCH遺伝子の時期特異的発現の検討を行う。つまりラットを用いてその発生過程におけるCochlinの発現を免疫組織学的に検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 八木聰明, 池園哲郎, 新藤晋: "内耳プロテオーム解析-今後の展望-"厚生労働省特定疾患対策研究事業 前庭機能異常に関する調査研究班. 平成13年度報告書. 39-42 (2001)
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[Publications] 八木聰明, 池園哲郎, 新藤晋: "COCH遺伝子発現の異質性とプロモーター解析の有用性"厚生労働省特定疾患対策研究事業 前庭機能異常に関する調査研究班. 平成13年度報告書. 43-49 (2001)