2003 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障性視神経障害の機能的障害と組織学的障害との関連の解明
Project/Area Number |
14571658
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 剛司 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (30172191)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 寛 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60332615)
国松 志保 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80301563)
|
Keywords | 緑内障 / 視神経乳頭 / 画像解析 / 走査レーザー検眼鏡 |
Research Abstract |
緑内障線維柱帯切除術後に良好な濾過胞形成がなされている症例について経過観察し、濾過胞からの房水流出の頻度を濾過胞の形態別に比較検討した。その結果、濾過胞部のマッサージ後に房水流出の頻度は有意に上昇し、特に1象限近くに拡大した、無血管性の濾過胞を持つ症例にその傾向が強かった。 Leber遺伝性視神経萎縮症(以下、LHON)は視神経萎縮と視力障害を伴う遺伝性疾患であるが、同疾患の中には視神経乳頭陥凹の拡大を認めるものもあり、正常眼圧緑内障による視神経乳頭障害との鑑別が重要な意味を持つ。走査レーザー検眼鏡を用いて、LHON患者15人、正常眼圧緑内障患者15人、および正常人25人の視神経乳頭部を三次元解析したところ、LHON患者の視神経乳頭は正常人に比し、明らかに大きな視神経乳頭陥凹の拡大を認めた。しかしながら、正常眼圧緑内障患者と比較すると、陥凹の深さは有意に浅かった。このことは、LHONの視神経乳頭陥凹と正常眼圧緑内障眼のそれとの間に、一部共通する病因のある可能性が示唆された。 狭隅角眼は、急性の隅角閉塞を起こし易く、前房深度が浅い、眼軸長が短い傾向にあるなどの特徴を有することが多い。しかしながら、視神経乳頭形態の特徴については不明な点も多い。全周Shaffer分類で2度以下、視野正常かつ周辺虹彩前癒着をみとめない狭隅角眼20眼と、隅角は広隅角かつ年齢、屈折をマッチしたコントコール12眼を対象として視神経乳頭形態を走査レーザー検眼鏡にて三次元解析した。眼圧は狭隅角眼とコントロール眼で差はなかった。視神経乳頭形態については、狭隅角眼は、正常コントロール眼に比しリム面積とリム体積が有意に大きかった(p<0.02)。このことから、狭隅角眼と広隅角眼では、乳頭形態も潜在的に異なる可能性がある。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Hu C-Y, Matsuo H, Tomita G et al.: "Clinical characteristics and leakage of functioning blebs after trabeculectomy with mitomycin-C in primary glaucoma patients"Ophthalmology. 110. 345-352 (2003)
-
[Publications] Mashima Y, Kimura I, Yamamoto Y, Ohde H, Ohtake Y, Tanino T, Tomita G, Oguchi Y.: "Optic disc excavation in the atrophic stage of Leber's hereditary optic neuropathy : comparison with normal tension glaucoma"Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 241. 75-80 (2003)