2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入によるRCSラットの網膜変性の改善:網膜色素上皮に特異的に発現するウイルスによるアプローチ
Project/Area Number |
14571677
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
小林 博 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (00215360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 條 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10315202)
小林 かおり 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (60325595)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / セリンプロテアーゼインヒビター / 免疫組織化学法 / ウエスタンブロット法 |
Research Abstract |
網膜色素上皮に特異的に発現するプロモーターを持つdelivery system(伝達方法)の開発として、pp344プロモーターを組み込んだ非病原性ウイルスを利用することが妥当と考えられる。ニワトリpp344遺伝子をプローブとしてラットpp344遺伝子の全長の遺伝子を同定中である。pp344プロモーター領域を単離とともに、pp344遺伝子産物の特性を調べることも重要と考えられる。ニワトリ胚網膜色素上皮細胞の特異的な遺伝子として単離されたpp344遺伝子は、分化、形質転換に深く関わり、セリンプロテアーゼインヒビター類似配列を有する。我々はニワトリpp344タンパク質に対する抗体を作製し、眼内における分布を検討した。pP344遺伝子より推定されるアミノ酸配列から、16個のアミノ酸からなるペプチドを作製し、ウサギに免疫した。得られた血清は、ELISA法にて抗体価を確認した。免疫組織化学法にて、ニワトリ胚9日目又は、生後8週マウスの神経網膜におけるpp344タンパク質の局在を検討した。ウエスタンブロット法により、神経網膜、網膜色素上皮細胞におけるpp344タンパク質の発現を検討した。ELISA法にて確認した抗血清を用いた免疫組織化学法では、ニワトリ胚においては網膜色素上皮および、神経網膜全域に染色がみられた。マウスでは、網膜色素上皮、網膜視細胞層から神経節細胞層に及んで染色が認められた。ウエスタンブロット法では、ニワトリ胚網膜色素上皮及び神経網膜において、65kDaの部位にバンドが検出された。pP344遺伝子産物は、網膜色素上皮細胞から神経網膜に存在することが示された。pP344遺伝子産物は網膜に分泌されることから、網膜における機能の解明が重要と考えられた。
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