2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルペス性角膜実質炎におけるTh-1サイトカインとTh-2サイトカインの働き
Project/Area Number |
14571695
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
神野 早苗 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10289069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
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Keywords | ヘルペス角膜炎 / Th-1 / Th-2バランス / IFN-γ / IL-18 / animal |
Research Abstract |
Th-2優位であるBALB/cマウスとTh-1優位であるC57BL/6マウスの2系統を用いて、角膜にヘルペスウイルスを感染させ、角膜を経時的に観察スコア化した。さらに血中のIL-18とIFN-γの濃度を経時的に測定した。結果は感染後14日目ではC57BL/6マウスは100%生存したがBALB/cマウスでは42%であった。角膜所見は感染後10日目ではBALB/cマウスのほうがスコアは有意に低かった。IL-18血中濃度はC57BL/6マウスで14日目に高く、IFN-γ血中濃度は両種とも4日目に高くその後はほとんど検出できなくなった。以上の事から次のように考案している。 ・Th-1細胞優位のC57BL/6マウスでは、局所での反応が強く出て角膜所見は高度の障害を示していた。しかし、全身反応は弱く脳炎を起こして死亡するマウスはいなかった ・Th-2細胞優位のBALB/cマウスでは、実質性角膜炎を生じるマウスは少ないのに、死亡するマウスは多かった。これはTh-2優位のせいで全身の反応が強く出るものと考えられた ・血中IFN-γは炎症が治癒してくる14日後には低値である事はlater phaseにはTh-2優位であることを考えれば矛盾しないが、臓器特異的反応を示すTh-1優位のC57B/6マウスでは4日後の値は高いはずであるのに、BALB/cマウスのほうが高値を示した ・最近、IL-18はIL-12の非存在下にてTh-2サイトカインを誘導することが明らかになった C57BL/6マウスで14日後に血中IL-18が高値になったのは、IL-18が作用して炎症を治癒させようとTh-2優位の方向へシフトさせた可能性があり、興味深い
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