2004 Fiscal Year Annual Research Report
横隔膜ヘルニアにおけるVEGFを用いた胎児治療の検討
Project/Area Number |
14571699
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幸地 克憲 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40312938)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 英生 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60210712)
松永 正訓 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80302561)
大沼 直躬 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50125910)
|
Keywords | 横隔膜ヘルニア / VEGF |
Research Abstract |
【目的】 血管増殖因子がCDHの肺動脈壁肥厚にどのように関わっているかを、CDHモデルラットを用いて検討する。 【方法】 妊娠9.5日SDラットに、Nitrofen 100mgを経口投与する。胎仔ラットを摘出後、顕微鏡下でCDH形成の有無を確認。CDHを認めるものをCDH+群、CDHがないものをCDH-群とした。対照群は、オリーブオイルのみ経口させた。各群とも妊娠17、19、21日に胎仔ラットを摘出し、以下の検討を行った。 1.肺動脈壁面積:21日胎仔肺のHE標本を作製し、マイクロアナライザーを用いて求めた。 2.血管増殖因子:VEGF、Ang-1とそのリセプターであるFLK1、TIE2のRNA発現量をRT-PCRを用いて定量した。 【結果】 1.肺動脈壁面積は、対象群、CDH-群に比べ、CDH+群で有意(P<0.0001)に肥厚を認め、この実験系がCDHモデルとして適正であることが証明された。 2.血管増殖因子:VEGFは、CDH-群で対照群より発現量が少なかったが、CDH+群ではCDH-群より発現は増加していた。Ang-1は、対象群、CDH-群で差を認めなかったが、CDH+群では有意(p<0.005)に発現が低下していた。FLK1、TIE2の発現は、各群で差を認めなかった。 【考案】 CDHの存在により胎児期からVEGFの発現は増加し、Ang-1の発現が抑制されることより、胎児期から肺動脈のリモデリングが起こっていることが考えられ、新たな肺高血圧に対する遺伝子導入療法の開発に応用できる可能性が考えられた。
|