2003 Fiscal Year Annual Research Report
腸管ペースメーカー細胞の上部消化管運動の調節メカニズムへの関与の解明
Project/Area Number |
14571703
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 利路 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20294085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 誠一 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (50218856)
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Keywords | 腸管ペースメーカー細胞 / マイクロチャンネルマイクロマノメトリー法 / 上部消化管運動 / 肥厚性幽門狭窄症 / 上部消化管通過障害 / 律動波 |
Research Abstract |
近年腸管ペースメーカー細胞が消化管平滑筋運動を調節することが報告されているが,詳細は不明である。本研究の目的は、スリーブセンサーを有するマルチプルチャンネルの細径カテーテルを利用したマノメトリー法により、上部消化管運動を観察し,定量化することによって、消化管運動の調節メカニズムを明らかにすることであった。これまでに、8週令体重250gのラットを用いて,観察を行ったが,24時間絶食後(空腹期)に、胃前庭部、幽門部、十二指腸において、律動波が僅かに測定された。しかしながら、経口摂取や迷走神経刺激による律動波の変化の観察などには至る事ができなかった。 そこで、臨床例において,上部消化管の運動を同様のマルチプルチャンネルマノメトリー法で観察した。対象は正常乳児と上部消化管の通過障害を有すると考えられる肥厚性幽門狭窄症の乳児とした。方法は、スリーブセンサーと8、及び9チャンネルの側孔をもつ径2.0mmの内圧カテーテルを、胃より挿入し,レントゲン透視下に位置を確認した。肥厚性幽門狭窄乳児では,周期性の2相性波が群発するのが観察された。これは正常乳児では観察されず、特徴的であった。さらに、肥厚性幽門狭窄乳児において、殆どの幽門前庭部の圧波は幽門部での圧波に同期して見られた。また肥厚性幽門狭窄乳児において、アトロピン療法により通過障害が改善するとともに、前述の周期性2相波の出現頻度は明らかに減少した。
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