2003 Fiscal Year Annual Research Report
Biochipを用いた神経芽腫での過剰発現遺伝子同定に関する研究
Project/Area Number |
14571705
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
近藤 知史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50234935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 義敬 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40156831)
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Keywords | 神経芽腫 / BioChip(microarray) / 自然退縮 / 病理組織 |
Research Abstract |
小児の代表的な固形腫瘍である神経芽腫は、分化やアポトーシスにより自然退縮する予後良好群と、悪性増殖する予後不良群の2つのサブセットに分類されると考えられている。しかし自然退縮、悪性増殖のどちらに対しても、それに関与するシグナルについては未だに明らかになっていない。このシグナルの解明のために、BioChip法によるMicroarrayを乳児神経芽腫と進行神経芽腫の腫瘍組織で行い、遺伝子の発現に差を認めた既知遺伝子についてさらなる検討として定量的RT-PCR、免疫染色を行った。しかし、BioChipにより発現に差を認めた遺伝子と定量的RT-PCR、免疫染色の結果には相関関係は認めなかった。そこで、乳児神経芽腫にターゲットを絞り、14例の乳児神経芽腫に対してBioChipを施行した。結果、病期よりもpathologyの違いにより、クラスター分類された。すなわち、diffarentiating neuroblastomaの8例では、細胞分化に関与する遺伝子(OLIG2,MADH2,DFFB, CASP8,9など)の過剰発現を認め、poorly differentiated neuroblastomaの6例では、腫瘍発生に関与するとされる遭伝子(CLDN5,CCDN1,NFKBIL2など)の過剰発現を認めた。 今後、この得られた結果をもとに、乳児期の神経芽腫の、自然退縮のメカニズムの解明を中心に、さらなる検討を加えていきたいと考えている。
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