2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪由来間葉系幹細胞(仮称)による3次元大型脂肪組織の再生構築
Project/Area Number |
14571723
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
水野 博司 日本医科大学, 医学部, 講師 (80343606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊吾田 慎一 日本医科大学, 医学部, 助手 (30339361)
村上 正洋 日本医科大学, 医学部, 助手 (00239500)
百束 比古 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00165135)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 脂肪 / 再生医学 / 組織工学 |
Research Abstract |
昨年同様、GFPトランスジェニックマウス皮下脂肪より脂肪組織幹細胞(Adipose derived Stem Cells、以下ASC)を精製分離しコントロール培地内で増殖させた。第2継代ASCを脂肪分化誘導培地内で1週間培養後、1x10^6個のASCをフィブリン糊0.5mlに混合した後ヌードマウス皮下に注入移植した。そして移植後4週および8週後に移植組織を回収し、肉眼的観察、蛍光顕微鏡による観察、HE染色および0il Red O染色による組織学的評価を行った。分化誘導をかけなかったASCとフィブリン糊の混合物移植群および無細胞のフィブリン糊移植群をコントロール群とした。 その結果、実験群において再生された組織は肉眼的には黄色半透明の柔らかく丸い形状を有する組織で周囲には軽度の血管新生を伴っていた。またこの組織を蛍光顕微鏡下で観察すると緑色の蛍光を強く発していることが確認され、移植されたASCが生存し組織再生に寄与していることが認められた。組織学的には小型の脂肪滴を有する細胞がHE染色において多数確認され、Oil Red O染色において赤色に濃染される脂肪滴が確認できた。更に蛍光顕微鏡による組織観察ならびにGFPに対する免疫染色において陽性細胞が脂肪組織に再生していたことが確認された。 次に同様の手法により、ポリグリコール酸不織布、I型コラーゲンスポンジ、ヒアルロン酸などの担体に分化誘導したASCを播種した混合体をヌードマウス皮下に移植し移植後4週および8週後に移植組織を回収し、同様の観察を行った。その結果、I型コラーゲンスポンジに播種したASCが脂肪組織再生に有用であったが、その他の担体においては明らかな脂肪組織再生は認められなかった。 現在ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)mRNA発現をRT-PCRにて確認中である。 またドナーの性差が脂肪への分化に与える影響についてPPARγ2遺伝子の発現をリアルタイムPCRにて検討したところ(in vitro)、雌由来の細胞は雄由来の細胞に比較して平均で1.54倍のPPARγ2遺伝子を発現しており、雌由来ASCが脂肪細胞への分化能が高いことがわかった。
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Research Products
(1 results)