2003 Fiscal Year Annual Research Report
炎症の場における骨改造の分子機構:アジュバント関節炎ラットをモデルとして
Project/Area Number |
14571737
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯島 忠彦 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50090874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 健吾 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (90189134)
久木田 敏夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (70150464)
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Keywords | アジュバント関節炎 / ヘルパーT細胞 / ケモカイン / サイトカイン / CXCR3 / CCR4 / IFN-γ / IL-4 |
Research Abstract |
アジュバント投与に先だって坐骨神経を切除した関節炎ラットおよび神経切除の疑似的手術を施したアジュバント関節炎ラット(以後対象ラット)の関節において、ヘルパーT細胞の分布を検索したところ、対象ラットの滑膜組織中の単核細胞に占めるヘルパーT細胞の比率がアジュバント投与2-3週間後に最大に達するのに対し、神経を切除した関節炎ラットではそのピークは4週間後まで持続する、すなわち神経切除によって炎症からの回復が遅延することを示唆する所見を得た。ところで、ヘルパーT細胞はTh0、Th1およびTh2の三者に分類され、後二者の量的バランスが炎症の進行に深く関わるとされている。本研究はアジュバント関節炎ラットの炎症滑膜組織に浸潤したヘルパー細胞の量的変化をTh1およびTh2細胞に区別して解析し、炎症の動態をより詳細に考察するのが目的である。特に、知覚神経の関与に注目して解析を進める。 ケモカインやサイトカインを指標としてTh1細胞とTh2細胞とを区別する報告がみられる。しかし、in vivoの研究は数も少なく、指標としての信頼性についてはまだ議論が定まっていない。我々は、Th1細胞を識別するためのケモカインとしてCXCR3を、同サイトカインとしてはIFN-γを、一方Th2細胞のケモカインとしてはCCR4を、同サイトカインとしてはIL-4を採用することとしてアジュバント関節炎ラットの炎症滑膜組織での二重染色を実施し、その妥当性を検討した。その結果、CXCR3とIFN-γとのいずれかに陽性な細胞の90%以上がそれらに二重陽性、CCR4とIL-4とのいずれかに陽性な細胞の95%以上がそれらに二重陽性を示すこと、一方、CXCR3とIL-4およびCCR4とIFN-γに二重陽性の細胞はそれぞれ10%以下、および5%以下に過ぎないことが明らかとなった。よって、Th1およびTh2細胞の動態を解析するための指標として、これらのケモカインとサイトカインを用いることの妥当性が証明された。 次いでこれらのケモカインとサイトカインを指標としてTh1およびTh2細胞を識別し、Th1細胞/Th2細胞の比率を経時的に解析したところ、神経切除によって炎症からの回復が遅延することを裏付ける結果となった。
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Research Products
(1 results)