2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚基底膜のモデルとしての頭部プラコード領域の基底膜
Project/Area Number |
14571742
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大澤 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 栄介 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10275571)
藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80173459)
野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
小野寺 政雄 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10326689)
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Keywords | プラコード / 両生類 / 基底膜 / 半接着斑 / アンカリング・ファイブリル / コラーゲン線維 / 緻密層 / 外胚葉 |
Research Abstract |
プラコード領域の基底膜とその直下のコラーゲン線維層の形態を透過型電子顕微鏡的に観察した。前年までの観察で、角膜領域、水晶体上皮、鼻板、耳胞直下の基底膜とコラーゲン線維束の形態について観察してきたが、本年度はそれに加えてプラコード様構造の一つと考えられる両生類の顎嘴について、直下の基底膜とコラーゲン線維束を観察した。顎嘴は表皮と連続している構造であるが、コラーゲン線維の走行が異なり、表皮のコラーゲン線維が規則正しい層板構造を示すのに対し、顎嘴直下のコラーゲン線維は、鼻板、耳胞周囲のそれと類似した不規則な配列を示した。 歯胚のエナメル上皮の基底膜には、表皮基底膜に見られるようなアンカリング・ファイブリルが認められず、平行配列した無周期性原線維が基底膜の緻密層に垂直に接しているのが見られるが、同様の構造を棘皮動物で(Cucumaria frondosa)の表皮および食道上皮において認めた。これらの部位においては基底膜および半接着斑の発達は良かったが、真皮(粘膜固有層)側の構造は脊椎動物のそれと大きく異なり、長い無周期性のマイクロファイブリル様の線維によって占められていた。このような構造は、表皮(粘膜上皮)と真皮(粘膜固有層)との原始的な結合様式を示すものと考えられ、今回の観察結果は歯胚のエナメル上皮基底膜の性格を探る上での基礎データとなり得るものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tokuji Osawa: "Regeneration of the epidermis and mucosal epithelium on the basement membranes."Medical Electron Microscopy. 36・4. 193-203 (2003)
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[Publications] Tokuji Osawa, Xin-Yan Feng, Yohichiro Nozaka: "Scanning electron microscopic observations of the basement membranes with dithiothreitol separation."Medical Electron Microscopy. 36・3. 132-138 (2003)
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[Publications] Ichiro Naito, Tokuji Osawa, et al.: "Fine structural localization of collagen type IV α chains in the rat glomerular basement membrane using chain-specific monoclonal antibodies."Current Progress in Human Life Science. in press. (2004)
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[Publications] Yohko Kato, et al.: "Solubilization of organic matrix of Lingula unguis with chitinase."Biomineralization. in press. (2004)