2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚基底膜のモデルとしての頭部プラコード領域の基底膜
Project/Area Number |
14571742
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大澤 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80173459)
奈良 栄介 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10275571)
小野寺 政雄 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10326689)
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Keywords | プラコード / 両生類 / 基底膜 / 半接着斑 / アンカリング・ファイブリル / コラーゲン線維 / 緻密層 / 外胚葉 |
Research Abstract |
両生類の発生過程を追ってプラコード領域の基底膜とその直下のコラーゲン線維層の形態を透過型電子顕微鏡的に観察すると共に、基底膜の緻密層の基本構造を解明しようとする基礎研究、およびコラーゲン線維層の形成を系統発生的にとらえるため、棘皮動物(Cucumaria frondosa)の表皮基底膜と体壁のコラーゲン線維を観察した。 表皮基底膜においては、多角形よりなる格子状構造が観察された。これはYurchencoら(1986)が提出している基底膜の骨格構造に極めて類似しており、type IVコラーゲンからなる基本構造を形態的に提示することができた可能性が高い。切片に傾斜をかけて撮影する、透過電顕による立体写真によって、この構造の三次元的な広がりを示す事ができた。同時に、今まで両生類無尾目の変態中に、尾の表皮基底膜に見られてきた格子状構造も、今回観察した構造と類似のものであると思われ、また、マウス、ニワトリの胚の表皮基底膜で観察されてきた顆粒構造も、今回観察した格子状構造と同種のものであることが考えられた。 今回の観察では、表皮直下のコラーゲン線維層の形成も系統発生的に解明が進んだ。脊椎動物や原索動物以前の前口動物である棘皮動物の体壁のコラーゲン線維は、哺乳類の真皮のコラーゲン線維束とは異なる形状と配列を示し、原始型であると考えられた。今回の観察結果は、歯胚の基底膜の研究の基礎データとなるものである。
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