2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入法を用いた線維芽細胞によるT細胞アポトーシス解除機構の解明
Project/Area Number |
14571746
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
落合 邦康 明海大学, 歯学部, 教授 (50095444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 由美 明海大学, 歯学部, 助手 (20348189)
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 講師 (70236454)
天野 滋 明海大学, 歯学部, 助教授 (90167958)
落合 智子(栗田) 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (20130594)
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Keywords | 嫌気性菌 / 脂肪酸 / 酪酸 / T細胞 / アポトーシス / 線維芽細胞 / 接着因子 / 歯周病 |
Research Abstract |
酪酸により誘導されるアポトーシスを制御する因子のスクリーニング過程において、T細胞は線維芽細胞(HGF)に積極的に付着し、アポトーシスを回避する現象を認めた。同様の現象は、健康歯肉から分離したHGFも認められた。しかし、歯周病患者から分離したHGFは、T細胞アポトーシス解除機構は極めて弱かった。この点を明確にするため、HGF試料数を増やし検討した。正常歯肉分離HGFにおいては、全て酪酸非感受性であるとともに、強いT細胞アポトーシス回避能を有することが判明した。しかし、歯周病患者分離HGFでは、このような現象を認められなかった。更に、歯周病患者分離HGFは酪酸により容易にアポトーシスが誘導された。HGFとT細胞をそれぞれ酪酸処理したところ、T細胞の酪酸処理により接着細胞数が著しく増加した。しかし、HGFのみの酪酸処理では、顕著な付着細胞数の増加は認められなかった。また、HGFの酪酸処理により、ファイブロネクチン及びコラーゲンの産生量が顕著に増加することが判明した。両細胞の付着に関与する因子を決定するため、細胞付着アッセイ系に主要抗接着因子モノクローナル抗体(抗CD49a、抗CD49b、抗CD49d/CD29、抗CD49e、抗CD44など)を添加し、阻害実験を行った。その結果、抗CD44、抗CD49b、抗CD49e抗体で願著なT細胞阻害効果が認められた。また、全ての抗体を作用させた場合、約80%の付着阻害効果が認められた。これらの結果から、酪酸はHGFにファイブロネクチンやコラーゲンの産生を促進し、更にT細胞にも作用すること。そして、その接着にはCD44、CD49b、CD49e等が関与しているものと思われる。現在、酪酸存在下における接着因子発現の変動についてマイクロアレイを用い検討中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kurita-Ochiai, T. et al.: "Human gingival fibroblasts rescue butyric acid-induced T-Cell apoptosis"Infection and Imunity. 70・5. 2361-2367 (2002)
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[Publications] Takeshita, A. et al.: "1α25(OH)_2D_3 interferes with retinoic acid-induced inhibition of c-fos gene expression for AP-1 formation in osteoblastic cells"Journal of Oral Science. 44・1. 27-34 (2002)
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[Publications] Ochiai, K et al.: "Periodontopathic bacteria-infection and apoptosis"Hosptital Dentistry and Oral Maxillofacial Surgery. 14・2. 75-82 (2002)
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[Publications] 小塚昌宏他: "Superoxolと同じpHのHC1が根管象牙質に与える影響"日本臨床歯内療法学会誌. 23・1. 18-23 (2002)
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[Publications] Ochiai, K et al.: "Volatile fatty acids-induced apoptosis modulates immunoresponse in gingival tissue"Dentistry in Japan. (in press). (2003)
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[Publications] Takahashi, K. et al.: "Anti-plaque effects of mastic chewing gum in the oral cavity"Journal of Periodontology. (in press). (2003)
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[Publications] 落合邦康 他1名: "歯周病と骨の科学"宮田 隆、辰巳順一編(医歯薬出版). 214 (2002)