2003 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨細胞の発育と分化のメカニズムに関する組織細胞化学的,分子生物学的研究
Project/Area Number |
14571747
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
田島 義文 明海大学, 歯学部, 助教授 (80105593)
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Keywords | 軟骨細胞 / 発育と分化 / 組織細胞化学 / 分子生物学 |
Research Abstract |
当該研究では,軟骨組織における細胞増殖能と基質形成能との関連について,組織細胞化学的,分子生物学的検討を行ってきた。この研究の過程で,下顎頭軟骨では,軟骨細胞の発育(肥大化)に抑制的に働くPTH/PTHrP受容体とエストロゲンが相乗的に顎骨の成長メカニズムに関与していることを報告した。これらの知見は,今回学術論文として発表した(Acta Histochem et Cytochem,36,481〜487,2003)。現在は,発育・増殖能の高い生体移植性軟骨肉腫細胞や,臓器転移能を有する舌癌由来の細胞株(SAS)を用いて,細胞活性と細胞周囲基質の微小環境の変化との関連を中心に,分子生物学的な解析を行っている。すなわち,細胞代謝回転の速い軟骨肉腫細胞や,組織浸潤性の高いSAS細胞では,これらの細胞が産生する膜型のマトリックスメタロプロテナーゼ(MT1-MMP)の活性が,EGFなどの成長因子によって制御されている可能性を示唆した知見を得ている。この結果の一部は,第92回日本病理学会総会(福岡)ならびに第45回歯科基礎医学会総会(盛岡)にて発表した。これらの知見を基礎的データとして,今後さらに軟骨細胞の発育・成長の過程と、病態時における軟骨細胞周囲基質の微小環境の変化との関連について解析していきたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y Tajima et al.: "Persistence and modulation of PTH/PTHrP receptor expression in hypertrophic cells of mandibular condylar cartilage"Acta Histochem Cytochem. 36・(5). 481-487 (2003)
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[Publications] 田島義文: "病理・口腔病理 サブノート(第3版)"サンショウ(株). 77 (2003)