2003 Fiscal Year Annual Research Report
Tight junctionを介した唾液蛋白・水分泌制御と細胞内情報伝達
Project/Area Number |
14571751
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
橋本 貞充 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (10201708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085771)
嶋 香織 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10343526)
村松 敬 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00276982)
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Keywords | 唾液腺 / 外分泌 / 水分泌 / Tight junction / Isoproterenol / Carbachol / フリーズフラクチャーレプリカ / Aquaporin |
Research Abstract |
唾液分泌を介した生体制御機構の解明においては、Tight junction(TJ)を介した傍細胞輸送経路(para-cellular pathway)による水および唾液蛋白質の選択的透過の機構に焦点を当てた研究が必要であり、細胞膜の特徴を決定づけるフェンス機構と細胞極性、さらには、TJ構成蛋白を介して細胞膜直下の細胞質内で起こる細胞内情報伝達機構の解明が重要となる。本研究では、唾液分泌の分子機構を、TJを「Key」として、超微形態的、機能的、遺伝子発現の面からアプローチして明らかにすることを目的としている。 結果のまとめ:1)唾液腺におけるTJ構成蛋白の局在とその機能を明らかにするために、ZO-family、Claudin-family、Occludinを中心にして、ラットの正常顎下腺、耳下腺、舌下腺での局在、Isoproterenol(IPR)、Carbachol(CCh)刺激による変化を検討したところ、IPR/CCh刺激下の共焦点レーザー顕微鏡観察では、TJの形態が変化するとともに、分泌刺激後の細胞間分泌細管部のTJの不規則な形態変化にともない、ZOの細胞内局在がTJ部から膜近傍の細胞質内へと移行しており、これら、TJ構成蛋白の細胞膜上あるいは細胞内での動態の変化が示唆された。2)岡崎国立共同研究機構・生理学研究所・微小形態部門との共同研究で、Wistar系雄ラットより摘出した顎下腺を用い、HEPES緩衝液の還流下で、非刺激およびIPR(1μM)とCCh(1μM)刺激時のTJの構造について、未固定のまま、液体ヘリウムを用いた急速凍結試料によるディロプエッチング・フリーズフラクチャーレプリカ法を用いて、生きたままの状態の構造を直接、三次元的に検討した。CCh投与後にIPRで分泌刺激を行ったものでは、分泌顆粒の腺腔側膜への癒合にともない、細胞間分泌細管部のTJを構成する膜内粒子の配列が不規則となり、フリーエンドやターミナルループの増加とともに、基底側に拡散する傾向が認められた。これらの膜内粒子は、細胞膜直下に存在するアクチン線維と、TJ介在蛋白を介して結合していることから、分泌時のアクチン細胞骨格の構造変化にともない、TJの網目を構成する膜貫通蛋白のOccludinあるいはClaudinの局在が変化して、傍細胞輸送経路の透過性が亢進している可能性が示された。3)ラット耳下腺より分離精製した分泌穎粒を用いた実験系で、分泌顆粒膜および腺腔側あるいは基底側方膜の膜分画を分離し、これらの分画における水チャンネル蛋白のAquaporinの存在を観察、検証したところ、western blotting上でのAquaporin-5の分泌顆粒膜分画への局在とともに、凍結超薄免疫電顕法による超微形態的にも顆粒膜上の局在が証明できたことから、Aquaporin-5がラット耳下腺の分泌顆粒膜に明らかに局在し、分泌顆粒の浸透圧調節に重要な役割を果たしている可能性を見いだした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ochiai, S., Hashimoto, S.: "Acinar cell hypertrophy proliferation and cell death in rat submandibular glands induced by long-term isoproterenol administration."Acta Histochem.Cytochem.. 35・5. 383-393 (2002)
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[Publications] Hashimoto, S., Shimono, M.: "Morpho-functional changes in cellular junctions during secretory stimulation in the perfused rat submandibular gland."Eur.J.Morphology. 41(in printing). (2003)
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[Publications] Matsuki, M., Hashimoto, S.: "Aquaporin 5 water channel contributes to osmoregulation in parotid secretory granules."Biochemical J.. (Submitted). (2004)
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[Publications] Hashimoto, S., Shimono, M.: "Ultrastructural changes in tight junctions and cell membrane during secretory stimulation in the perfused rat submandibular gland by freeze fracture technique using rapidly frozen specimen."Eur.J.Morphology. (Submitted). (2004)