2002 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜扁平苔癬における粘膜上皮細胞と樹枝状細胞の機能解析と治療
Project/Area Number |
14571752
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小宮山 一雄 日本大学, 歯学部, 助教授 (00120452)
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Keywords | Lichen planus / dendritic cell / Th1 cell / IL-2 / INFg / chemokine / RT-PCR / flowcytometor |
Research Abstract |
口腔粘膜扁平苔癬の病態解明と治療法の開発を目的として,我々は口腔粘膜Th1病変モデルマウスを開発し検討を行っている。 1)現在までに,C57BL/6マウスを3%Oxazolonで感作後,1%頬粘膜チャレンジにより,好中球,T細胞を誘導し。Th 1病変を形成することを明らかにした。チャレンジ後2時間でNK細胞,マクロファージが病巣に浸潤し,IL-2とINFgがはじまりIL-2は8時間でピークを示した。このIL-2よりCD25陽性の好中球が浸潤し,12時間でピークを迎えた。その後好中球は病巣から速やかに消失した。 2)また,本研究でMIP1,IP10およびCXCR2,CXCR3の発現をRT-PCR法で,NK細胞の変動と相関することをみいだした。 3)さらにassialo GM1抗体を投与し,NK細胞を除くと,Th1細胞の病巣への集簇が減少することを明らかにした。 4)上記結果から,病変誘導初期のサイトカイン産生抑制が治療法の開発の一つの方法として考えられた。 5)病変の増悪には,Dendritic cell(DC)の関与が想定されるため,局所リンパ節および脾臓におけるDC細胞の動態を,flowcytometorを用いて経時的に検討している。現在までのところ,局所リンパ切で,頬粘膜チャレンジ後,2時間から12時間まで減少し,以後は局所リンパ節におけるDC細胞数は回復していた。しかし,DC細胞の動態を病巣部で明らかにすることは出来なかった。 6)今後,病巣局所でのDC細胞の動態を明らかにするためにRT-PCR, in situ hubridiazationにより,DC細胞の同定,サイトカイン産生を検討する。 病巣でのNK細胞,マクロファージ,好中球の動態には,サイトカイン,ケモカインを始め様々な因子の関与が考えられる。今後これらの相互関係を検討する。
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