2003 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の分化誘導過程でのオステオポンチンとCD44の役割に関する研究
Project/Area Number |
14571776
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 恵子 昭和大学, 歯学部, 講師 (50119187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 信裕 昭和大学, 歯学部, 助手 (90286849)
天野 均 昭和大学, 歯学部, 講師 (90212571)
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Keywords | 破骨細胞 / オステオポンチン / アクチン / β3 integrin / 骨吸収 / OPNノックアウトマウス / ビスフォスフォネート / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究課題について前年度に得られた結果は以下の通りである。 1.破骨細胞の細胞周辺部、特に細胞突起に0PNおよびCD44が共局在している。 2.OPNあるいはCD44を欠損するマウス由来の細胞ではその運動性および融合能が著しく低下しているために破骨細胞形成のみならず細胞機能も大きく損なわれる。 今年度は昨年得られた結果をもとにして、更に培養頭蓋冠の共焦点レーザー顕微鏡による観察という新しい手法を取り入れることにより以下の新知見を得ることができ、現在論文を作成中である。 1.破骨細胞形成系では融合過程にある細胞のみで細胞周辺部にβ3 integrinの局在が観察され、これらの部位では同時にOPNの共局在が確認された。 2.ガラスやプラスチック上で形成された破骨細胞ではアクチンリング形成が確認されたが、免疫染色によりOPNを観察することはできなかった。 3.骨吸収促進因子存在下で培養した頭蓋冠を免疫染色後、共焦点レーザー顕微鏡で観察した結果、吸収窩の辺縁部にOPNの強い染色が認められ、アクチンリングおよびβ3 integrinとの共局在がみられた。 4.さらに骨粗鬆症などの治療薬として一般的に使われているビスフォスフォネートを作用させると、吸収窩は小さく浅くなり、OPN,アクチン,β3 integrinの染色性が顕著に低下していた。 5.OPNノックアウトマウス由来の頭蓋冠では骨吸収促進因子添加による骨吸収が顕著に低下しており、アクチンリングも観察されなかった。 以上の結果から骨吸収活性を有する成熟破骨細胞に分化するためには骨に特有のsubstrataが必要不可欠であること、またこの条件が満たされれば、破骨細胞はOPNを多量に産生することが示唆された。さらにOPN産生阻害がビスフォスフォネートの骨吸収抑制機序の一つである可能性があり、今後の検討課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Suzuki, J.Sodek et al.: "Colocalization of Intracellular Osteopontin With CD44 Is Associated With Migration, Cell Fusion, and Resorption in Osteoclasts"J Bone Miner Res.. 17. 1486-1497 (2003)
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[Publications] K.Suzuki, J.Sodek et al.: "Intracellular osteopontin in osteoclasts : Impaired migration, cell fusion and resorption in osteoclasts from OPN-/- and CD44-/- mice"Scientific World J.. 2. 79-81 (2002)
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[Publications] T.Hosoi, T.Yoda, M.Yamaguchi, H.Amano, H.Orimo: "Elderly Women with Oral Exostoses had Higher Bone Mineral Density"J Bone Miner Metab. 21. 120-122 (2003)
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[Publications] K.Suzuki, H.Shinoda et al.: "Evidence for the inhibitory effects of bisphosphonates on osteoclast differentiation and activation obtained using laser scanning confocal microscopy"Bone. 32. S162 (2003)
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[Publications] B.Zhu, K.Suzuki et al.: "Osteopontin modulates CD44-dependent chemotaxis of peritoneal macrophages through G-protein-coupled receptors : evidence of a role for an intracellular form of osteopontin"J Cell Physiol.. 198. 155-167 (2004)
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[Publications] K.Suzuki, J.Sodek: "Osteopontin"日本臨床. 62. 145-149 (2004)