2002 Fiscal Year Annual Research Report
難治性感染症に関わる口腔レンサ球菌のDNA結合タンパク質の解析
Project/Area Number |
14571788
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 講師 (60199130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 圭史 徳島大学, 歯学部, 助手 (10335804)
根本 謙 徳島大学, 歯学部, 助手 (10218274)
三宅 洋一郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (80136093)
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Keywords | レンサ球菌 / Streptococcus milleri group / ヒストン様タンパク質 / ヘパリン / ヘパラン硫酸 / sialyl Lewis^x / 付着 |
Research Abstract |
レンサ球菌のhlp geneに特異的なプライマーを使用してPCRを行い、S.sanguinis、S.gordonii、S.oralis、S.mutans、S.milleri groupなどを含めた菌種のPCR産物を得た。これらのシーケンス解析から、アミノ酸配列を決定し各配列を比較した。その結果DNA-binding armの領域のアミノ酸配列は同一であった。さらにS.intermediusのヒストン様タンパク質(HlpSi)につき、B.stearothermophilus由来ヒストン様タンパク質のNMR構造解析データを基に作製した分子モデリングの結果、N末の52〜67の配列はタンパク分子表面に存在しているとの構造情報が得られた。この領域はヘパリン、ヘパラン硫酸のほかに、一部の癌細胞に発現するsialyl Lewis^x[Neu5Acα2-3Galβ1-4(Fucα1-3)GlcNAc]糖鎖と結合可能であることを、調製した抗HlpSiペプチド抗体、ヒトのCD15sにたいするモノクローナル抗体(SNH-3抗体)およびrHlpSiを利用したELISA法で明らかにした。この領域に含まれるXBBXBX(Bは塩基性、Xは非解離性アミノ酸)を満たすヘパリン、ヘパラン硫酸結合保存領域で結合する可能性を示したが、このモチーフだけでなくさらにいくつかのアミノ酸も結合に必要と考えられる。抗HlpSiペプチド抗体を使用した免疫電顕法によりHlpSiはS.intermediusの菌体表面にも存在しているため、S.intermediusはHlpSiを介して宿主細胞に発現するヘパリン、ヘパラン硫酸およびsialyl Lewis^xとも結合可能と考えられた。今後更に研究を進めることにより、ヒストン様タンパク質は菌体外では重要な宿主細胞との付着因子となりうることを実証する必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 村田 広美: "新たな分類によるanginosus group streptococciの抗菌薬感受性"日本細菌学会誌. 57・1. 331 (2002)
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[Publications] 弘田 克彦: "Streptococcus anginosusヒストン様タンパク質の分子モデリングと機能予測"日本細菌学会誌. 58・1. 205 (2003)
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[Publications] 弘田 克彦: "Streptococcus intermediusの付着、凝集時におけるhistone-like proteinの局在"Bacterial Adherence研究. 16(印刷中).