2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯性感染症が血中脂質濃度に及ぼす影響とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
14571809
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板垣 由美 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10223067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 拓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10303132)
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Keywords | 歯周病 / 動物実験 / 中性脂肪 / 血糖値 |
Research Abstract |
歯周病患者は健常者に比べ、中性脂肪やコレステロールなどの血中脂質濃度が有意に高いと報告されている。そこで本研究では、口腔内局所の感染症である歯周病が、血中脂質濃度などの全身的なパラメーターにどのような影響を及ぼすのか、動物実験で検討している。 実験には8週齢のWistar系ラット(オス・メス)の下顎第1臼歯(以下、M1と略す)を用いた。M1の歯頚部にゴム輪を装着して実験的歯周炎を作成する実験群と、未処置の対照群に分けた。実験群ではさらにゴム輪を装着した1週後に、歯周ポケット内にPorphyromonas gingivalis(以下P.gingivalisと略す)付着絹糸を結紮する感染群と、無菌絹糸を結紮する非感染群の2群に分け、歯周病原細菌の影響も検討した。ゴム輪挿入時から絹糸結紮4週後まで経時的に採血して、P.gingivalis特異IgG抗体価、中性脂肪濃度および血糖値を測定し、オス・メスそれぞれにおいて、3群間で比較検討した。 現在までに得られた結果は以下のとおりである。 1.感染群においてP.gingivalis特異IgG抗体価が有意に上昇した。 2.オスでは中性脂肪濃度、血糖値ともに3群間で有意差が認められなかった。 3.メスでは、対照群に比べ非感染群で中性脂肪濃度が有意に上昇したが、感染群では有意な上昇は認められなかった。一方、血糖値は感染群において非感染群および対照群よりも有意に上昇した。 以上の結果から、歯周病の存在、さらに歯周病巣へのP.gingivalis感染が、中性脂肪濃度や血糖値に影響を及ぼし、その程度には性差がある可能性が示唆された。今後は例数を増やし、さらに検討を加えていく予定である。
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