2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯性感染症が血中脂質濃度に及ぼす影響とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
14571809
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板垣 由美 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10223067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
佐藤 拓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10303132)
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Keywords | 実験的歯周炎 / P.gingivalis感染 / 血糖値 / 中性脂肪 / TNF-α / CRP |
Research Abstract |
本研府では歯周病巣局所の炎症病変あるいは歯周病原性細菌の存在が、全身状態に及ぼす影響を検討するため、ラットに実験的歯周炎を作成し、さらに歯周ポケット内にP.gingivalisを接種して、血中脂質濃度、血糖値および炎症性因子に及ぼす影響を検討した。 実験動物として8週齢のWistar系雌ラット29匹を用い、Pg感染群(下顎第-臼歯にゴム輪を装着して実験的歯周炎を作成後、歯周ポケット内にPg接種)、Pg非感染群(実験的歯周炎作成のみ)、未処置群の3群に分け各測定項目を比較検討した。得られた結果は以下のとおりである。 1.Pg感染群においてPg特異IgG抗体価が有意に上昇した。 2.歯槽骨吸収程度はPg感染群と非感染群の間で有意差は認められなかったが、両群ともに未処置群よりも有意に大きかった。すなわち本実験系での歯槽骨吸収は実験的歯周炎の影響が大きく、Pg感染による差は認められなかった。 3.血糖値はPg感染群が非感染群および未処置群よりも有意に上昇したが、中性脂肪濃度は3群間で有意差が認められなかった。 4.末梢血中のTNF-α濃度はすべての群で検出限界以下であった。CRPレベルには有意差が認められなかった。 本研究ではPg感染群において血糖値が有意に上昇したが、その過程に関与すると推測したTNF-αの上昇は認められず、またCRPの有意差も認められなかった。ただし末梢血中では濃度が希釈され有意差が検出されにくい可能性も考えられるため、今後は歯周組織局所や血液中の細菌やLPSを処理している肝組織中の濃度を検討し、血糖値上昇のメカニズムを検討する必要があると思われる。
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Research Products
(1 results)