2002 Fiscal Year Annual Research Report
狭窄根管に対する非拡大・非根充の新しい根管治療法-生体接着材料の応用-
Project/Area Number |
14571828
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
北島 佳代子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (00177841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 友則 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (30318547)
横須賀 孝史 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (10277600)
五十嵐 勝 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (90168104)
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Keywords | 根管 / 石灰化 / 狭窄 / 閉鎖 / 根管治療 / 生体接着材料 / シアノアクリレート |
Research Abstract |
本研究は、歯の寿命の延長により増加傾向にある狭小根管に対して、従来の抜髄処置とは全く異なり、浸透性の高い固定剤で処置する新しい根管治療法の可能性を探るものである。まず基礎的研究として、歯科用X線写真で髄室および根管の狭小化の著しいヒト抜去下顎切歯の組織構造を検索した結果、根管壁には構造の不規則な象牙細管を有する第二象牙質(不整象牙質)が厚く添加し、根管は複雑に狭小化してきわめて細いが、光顕では幅径の小さいものでも50μmほどの細小根管が存在し、象牙質基質中に象牙芽細胞などの封入がみられ、根管が石灰化により完全に閉鎖することはないと推察した。さらに、歯科用X線写真で根管の狭小化のみられる歯の歯髄血流動態を調べて検討した。高齢のアカゲザル2頭の歯科用X線写真撮影を頬舌投影法と咬合撮影法で上下左右各8歯、計32歯について行い、根管の走行を確認できないか、明らかに狭小化が疑われる10根管について半導体レーザー組織血流計を用いて組織血流量、血液量、血流速度を測定した。その結果、歯科用X線写真で狭小化がみられる根管では血流量、血液量、血流速度の平均値は低い値を示すものが多く、波形の上下的振幅も減少する傾向がみられた。冷・温熱刺激に対する反応は鋭敏ではなかった。X線写真での根管の狭小化と血液量の相対的な関係は明らかではなかった。これは狭小化の状況と関連するものと思われ、血流量、血流速度の低下傾向から血液循環が低下している可能性が考えられた。現在、狭小化した根管内に存在する生活組織や硬組織に対する生体接着材料の作用を考究するため、NaClOとH_2O_2の交互洗浄、EDTA処理、Nd-YAGレーザーを組み合わせた4群にシアノアクリレートを作用させ、5分、24時間、1週間、3か月後の非脱灰組織標本を作製し、同材料の有用性について検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tao, K.Kitajima, T.Miyoshi, M.Tanaka, M.Igarashi, K.Kawasaki: "Anatomical and Histological Observation of Mandibular Incisors with Obstructed Pulp Chamber and Canal in Radiographs"Japan. J. Cinserv. Dent.. 44. 199 (2001)
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[Publications] 北島佳代子, 横須賀孝史, 佐藤 友則, 五十嵐 勝, 川崎 孝一: "歯科用X線像で根幹の狭小化がみられる歯の血流動態"日本歯科保存学雑誌. 46. (2003)