2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄細胞および骨髄細胞の象牙芽細胞への分化と象牙質再生
Project/Area Number |
14571833
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
好川 正孝 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70148451)
|
Keywords | 多孔質ハイドロキシアパタイト担体 / 歯髄・象牙質複合体 / 骨髄幹細胞 / 歯髄由来細胞 / ヒアルロン酸 / ラミニン / 硬組織形成 |
Research Abstract |
デキサメタゾン、アスコルビン酸-2リン酸そしてβ-グリセロフォスフェイトを添加したMEM培地を用いて大腿骨から採取したラットの骨髄幹細胞を培養し、培養器内における石灰化物の存在によって骨髄幹細胞の骨芽細胞への分化を確認した。また、歯髄由来細胞を培養した結果、歯髄由来細胞中に極めて少数ではあるが自律性に硬組織を形成する細胞が存在することが確認された。その反面、歯髄由来細胞には付着性の細胞が少なく、歯髄由来細胞の初代培養が困難であり、立体培養の応用が適当と考えられる結果が得られた。さらに、歯髄由来細胞の増殖と硬組織形成細胞への分化に骨髄幹細胞に対するようなデキサメタゾンの効果はうかがわれず、新たな分化誘導因子の必要性が認められた。 骨髄幹細胞あるいは歯髄由来細胞を骨芽細胞あるいは象牙芽細胞のような硬組織形成能を有する細胞に分化させるため、多孔質ハイドロキシアパタイト担体を応用した。骨髄幹細胞あるいは歯髄由来細胞を気孔中に含む多孔質ハイドロキシアパタイト担体をラット背部皮下組織内に埋入し、その気孔内での硬組織形成細胞への分化と硬組織形成を試みた。この実験では、歯髄由来細胞についてはラットから充分な数の歯髄細胞が得られないために、大腿骨から採取して初代培養によって増殖させた骨髄幹細胞を用いた。骨髄幹細胞を気孔に含ませた多孔質ハイドロキシアパタイト担体をラット背部皮下組織内に移植して気孔内に骨形成を誘導するためにヒアルロン酸あるいはラミニンを応用すると、担体内での骨形成に必要とされている細胞数の1/10の細胞で有意に骨が形成される結果を得た。 この結果は、多数の細胞を得ることが困難な歯髄由来細胞を用いての硬組織形成を可能にする方途を開くものである。
|
Research Products
(3 results)