2004 Fiscal Year Annual Research Report
DIMOX法による画期的なセラミックス基複合歯科材料の開発
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14571853
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
門川 明彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00169533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 直幸 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40136891)
田中 卓男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40113584)
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Keywords | セラミックス / 金属 / DIMOX法 |
Research Abstract |
歯科補綴分野においてセラミックス系材料は,優れた審美性,良好な生体適合性などの特性を有し,幅広く臨床応用されてきている.しかし,衝撃的な外力に弱いため,補綴物の破折,脱落などを引き起こしやすく利用範囲も限定されている.一方,金属材料は耐久性の点では最も優れているが,審美性の問題や,貴金属価格の乱高下など医療コスト面の問題も指摘されている.そこで我々は,セラミックスと金属両方の優れた特性を併せ持つ,セラミックス基複合金属材料の開発と歯科材料への応用に科研費の補助で取り組んできた.この方法はDirected Metal 0xidation (DIMOX)法と呼ばれ,アルミニウム合金などの金属をアルミナなどのセラミックス中にある方向から浸透させながら同時に酸化反応を促進させることでセラミックスマトリックスを生成させる方法である.金属をセラミックス繊維や粒子で補強し,複合体とする考え方は古くからあったが,一般にセラミックスは溶融金属に濡れにくいため溶融金属を多孔質のセラミック成形体(プリフォーム)中に強制的に加圧して押し込むなどの方法がとられてきた.この方法では,セラミックスと金属の界面は必ずしも強固に結合しておらず,セラミックスの均一な分散も困難であった.DIMOX法においては,合金溶融液を適切な高温で酸化することにより,直接バルクのセラミックス・金属複合体を製造するもので,金属の高いじん性とセラミックスの高い硬度および強度を併せ持つ材料として注目されている.作製された試料の理工学的物性は,従来の歯科用セラミックス材料と比較して,機械的強度は大きく,逆に表面硬度は小さくなる傾向を示した.また特別な表面処理等は必要なく歯科用陶材の焼成も可能だと考えられ,有効な修復用材料となる可能性が示唆された.
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Research Products
(6 results)