2003 Fiscal Year Annual Research Report
GDF-5/β-TCP複合体によるイヌ前頭洞内骨形成とインプラント周囲組織の観察
Project/Area Number |
14571854
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
広瀬 由紀人 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40244868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 宏哉 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (80364256)
八島 明弘 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (90316266)
越智 守生 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50169322)
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Keywords | GDF-5 / β-TCP / 複合体 / 洞内 / 骨形成 / インプラント |
Research Abstract |
材料と方法:ビーグル成犬の左右前頭洞を使用した。recombinant human Growth Differentiation Factor-5 (GDF-5)の担体として平均粒径300μmのβ-TCPを使用した。rhGDF-5/β-TCP複合体はβ-TCPの1g当たりに対してrhGDF-5を500μgコーティングして製作した。右側前頭洞挙上部に2gのrhGDF-5/β-TCP複合体(rhGDF-5を1000μg含む)を滅菌生理食塩水に浸して移植した。対照側(左側)にはβ-TCPのみを滅菌生理食塩水に浸して移植した。移植後1〜24週でイヌを屠殺して頭部灌流固定後、試料を摘出、ポリエーテル樹脂で包埋、薄切後、非脱灰研磨標本を製作した。前頭洞内の骨形成を塩基性フクシン・メチレンブルー重染色で組織学的に観察した。 GDF-5/β-TCP複合体の移植後4週で前頭洞内に誘導された骨組織にTi-6Al-4V合金製インプラント(直径3.7mm、骨内長8mm)を埋入した。インプラントを埋入して4、8、12週後に上記の方法に準じて製作した塩基性フクシン・メチレンブルー重染色標本のインプラント周囲骨組織を観察した。なお、標本はインプラントの長軸方向に薄切した。 結果:4週後、実験側は既存骨と連続した骨組織の形成が確認された、対照側の骨形成は既存骨隣接部に限局していた。8週後、実験側は既存骨と連続した骨組織で満たされ、β-TCP顆粒の吸収は全体の中心部まで進行していた。対照側は、実験側と同様に既存骨と連続した骨組織の形成が認められるようになったが、顆粒の大半は吸収されずに残存していた。12週後、実験側はrhGDF-5に誘導された骨は梁状部分が太く発達していたが、8週後の状態に比較してβ-TCP顆粒の吸収による挙上量の減少が認められた。24週後、実験側と対照側の形成骨は類似した組織所見を呈するようになった。しかし、β-TCP顆粒のほとんどが骨に置換した状態だった実験側に対して、対照側では部分的にβ-TCP顆粒の残存が確認された。 インプラント埋入から4週後、対照側、実験側ともに埋入窩内の骨組織の形成に明らかな差を認めなかった。インプラント埋入から8週後、対照側ではインプラント界面と骨組織の接触を確認できなかったが、実験側では埋入窩内に形成された骨組織とインプラント界面の接触を確認した。インプラント埋入から12週後、実験側ではインプラント界面に対する骨接触率が増加した。
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