2003 Fiscal Year Annual Research Report
無歯顎者におけるゴシックアーチ描記による水平的下顎位の変化
Project/Area Number |
14571867
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
荒川 一郎 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (00277592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20095102)
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50226114)
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Keywords | ゴシックアーチ描記 / 咬合採得 / 下顎頭位 / 顎関節X線断層撮影 |
Research Abstract |
無歯顎患者に対する総義歯補綴臨床では、咬合採得、特に水平的下顎位の決定は重要であり、機械的な水平的下顎位の決定法として、ゴシックアーチ描記法が広く臨床応用されている。本研究は、ゴシックアーチ描記の練習が無歯顎者の下顎頭位に及ぼす影響を明らかにする目的で、顎関節X線断層撮影法により、練習前後における下顎頭位を比較した。 はじめに、前年度に開発したシステムを改良し、ゴシックアーチ描記時の下顎運動をリアルタイムでコンピュータディスプレイに表示できるようにした。被験者は、新義歯の製作を希望する無歯顎者6名を選択した。実験は、自力によるゴシックアーチの描記と毎秒3回の頻度のタッピング運動を行わせ、これらの下顎運動を6自由度顎運動記録装置K3DMS2で連続的に記録した後、エイペクスで咬合採得を行った(記録A)。次いで、改良したシステムを用いて下顎運動を被験者に視覚的にフィードバックさせながら、エイペクスが明瞭に描記できるようになるまでゴシックアーチ描記を練習させた。練習後、再びゴシックアーチの描記とタッピング運動とを記録し、エイペクスで咬合採得を行った(記録B)。X線断層撮影法により、記録Aと記録Bの2顎位における下顎頭位を記録した。 記録間での比較の結果、前方・側方描記路は、記録Aよりも記録Bが有意に長く、またタッピングエリアの最大径は、記録Aよりも記録Bが有意に小さかった。下顎頭偏位インデックスは、記録Aよりも記録Bが有意に小さかった。これらのことから、ゴシックアーチ描記の練習によって、下顎運動範囲の増大、タッピング運動の安定化、下顎頭位の改善が得られる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)