2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成因子複合化高分子膜上の誘導軟骨による新生骨誘導
Project/Area Number |
14571873
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Research Institution | Aichi-Gakuin University |
Principal Investigator |
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60167351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (30175591)
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Keywords | BMP / 骨形成因子 / ポリサッカライド / 生体材料 / 機能性材料 / 移植 / 骨誘導 / 膜 |
Research Abstract |
昨年度の基礎技術確立に基づき、本プロジェクトの目標である宿主内新生骨誘導を達成するため以下の実験を行なった。 (1)BMPの可溶化実験 前年度にBMPの大量抽出作製、並びに迅速精製方法を確立し、さらにカラムクロマトグラフィーを用いて、水溶性化を試みた。しかしながら、高活性分画は常に非水溶性であったため、可能な限り水溶性化を試みたのち、低mol濃度の尿素を使用した。 (2)人工膜上の未分化筋肉器官培養による軟骨誘導 前年度に引き続き、安定した器官培養系の樹立を試みた。その結果、非水溶性の非分解性人工膜において軟骨誘導が安定して生じる事が確認された。また、この系では軟骨から新生骨誘導に転換する事はin vitroにおいては全く認められない事が解った。 (3)人工膜とBMPの複合材料による骨誘導実験 前年度にスクリーニングした人工膜用材料を再検討した結果、メチルセルロース、ポリサッカライド両者併用が最も新生骨誘導を制御する事に有効である事が判明した。 (4)宿主内新生骨誘導 以上の実験を踏まえて、in vitroにおいて未分化筋肉組織を培養し軟骨誘導を行なった器官培養系をin vivoに移植し、軟骨から新生骨誘導が生じるかを調べた。その結果、移植例ほぼ全例において、新生骨誘導が生じる事が判明した。 以上の4実験から、培養系においては軟骨誘導しか生じない器官培養物をin vivoにおいて再移植する事により、新生骨誘導が生じる事を証明した。 この結果を元に実際の臨床で応用が可能な系を樹立する事を試みる予定である。
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