2003 Fiscal Year Annual Research Report
局部床義歯の違いが唾液中ストレスホルモンに及ぼす影響
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14571875
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
前田 照太 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (10103110)
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Keywords | 床義歯 / ストレス / 唾液 / ストレスホルモン / コルチゾール |
Research Abstract |
不適合義歯による口腔への刺激,持続的疼痛や咬合,下顎位などの変化が全身状態と何らかの関連性を持っていると考えられるが,科学的な裏づけを得るにはいたっていない. 本研究は,床義歯に対する何らかの不快症状を待った患者に,義歯の調整,改造,修理などを行い,それらの不快症状を軽減または消失させる処置を行い,その前後の唾液中のストレスホルモンを測定し,不快な義歯とストレスの関連を見出すことである.また新たに義歯を製作する場合はその義歯を製作する過程,義歯装着後のリコール時まで中長期にわたるストレス反応を計測することにより,義歯による慢性的なストレスをも把握することをも目標にした. 講座の医員4名を選び,それぞれ義歯に対して不快症状を訴えて来院した患者8名ずつを割り当てた.同一日の次の時点で唾液の採取(唾液採集容器サリベッティのコットンロールを2分間咀嚼または口腔内に保持した全唾液)を行った.初診時に研究に対する同意を得られた直後,問診直後,治療直前,不快症状を除く治療直後および帰院直前. その結果,初診時のコルチゾール濃度が高く,治療直後と帰院直前には低く,有意の差が認められた.しかしこれは初めて病院外来に来たという一過性の上昇かも知れず,義歯の不快症状によるものかどうかを分離し得なかった. そこで患者に自宅でリラックス時(ほぼ同時刻に3回)の唾液の採取をさせ、来院時のコルチゾール濃度と比較した.不快症状をのぞく治療後と自宅でのコルチゾール濃度には有意差を認めなかったが,個人差が極めて大きかった. 現在までの結果を取りまとめ中であるが、今後さらに被験者を加えること,義歯に対する不快症状の改善による急性的なストレスホルモンの変化のみならず,日を変えて治療が進むに連れどのように変化するかを観察する予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 上り口晃成, 青木誠喜, 森田真功, 田畑勝彦, 畦崎泰男, 前田照太, 井上 宏: "歯肉浸潤麻酔が唾液中のコルチゾールおよびクロモグランニンAの濃度に及ぼす影響"歯科医学. 65巻・3/4号. 248-254 (2002)
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[Publications] 澤田曼喜子, 奥田啓之, 内田愼爾, 畦崎泰男, 南 正高, 前囲照太 他: "局部床義歯使用状況に関するアンケート調査"日本補綴歯科学会雑誌. 47巻・1号. 76-85 (2003)
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[Publications] 畦崎泰男, 福島卓司, 上り口晃成, 岡本吉宏, 前田照太, 井上 宏: "歯科診療刺激が心拍数に及ぼす影響"日本補綴歯科学会雑誌. 47巻・1号. 177 (2003)
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[Publications] 山本さつき, 奥田恵司, 佐久間泰司, 前田照太, 井上 宏: "実験的咬合障害の高さがラット前頭皮質ドーパミン放出に及ぼす影響"第16回日本顎頭蓋機能学会学術大会抄録集. 14 (2003)
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[Publications] T.Maeda, H.Inoue: "Influence of Changes in Experimental Occlusal Contacts on the Autonomic Nerve System"The International Journal of Prosthodontics. Vol.17・No.1. 115 (2004)