2002 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織再生医学の効率化のためのデフェンシンの発現調節
Project/Area Number |
14571889
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水川 展吉 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (00263608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 誠 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (30335616)
山合 友一朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00158057)
菅原 利夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10116048)
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Keywords | デフェンシン / 抗菌ペプチド / ヒスタミン / 口腔癌 / mRNA |
Research Abstract |
平成14年度は、ヒトロ腔癌(扁平上皮癌)組織におけるm-RNAの遺伝子発現をhuman-β defensin-2(HBD-2)のIn Situ hybridization用プローブ(アメリカUCLA,Prof.Ganz提供)及びhuman-β defensin-3(HBD-3)のプローブ(北海道医療大学 安彦先生提供)を用いて研究を行った。その結果、癌組織や癌組織に隣接した正常組織に,著明な遺伝子発現の上昇がみられると共に,免疫組織科学的手法によりタンパクの発現も同時に上昇していることが明らかにされた。また,正常ヒト表皮角化細胞及び,ヒト口腔扁平上皮癌細胞を用いて両細胞の細胞増殖に対するデフェンシンの影響について検討(Anticancer Res,2003年 in press)を行った。生体内における初期免疫反応に関与していると示唆される抗菌ペプチドであるHBD-2やHBD-3のデフェンシン類がヒト口腔癌組織中に発現が確認できたことから、胃ガンにおけるピロリ菌や,乳頭腫におけるパピローマウイルスの関与のように、口腔癌(扁平上皮癌)の発現に何らかの細菌もしくはウイルスが関与している可能性が示唆された。今後は、その他のがんや骨肉腫などの腫瘍についても検討する予定である。 また,デフェンシン類はヒスタミン遊離作用があるため、まだ未報告のHBD-3のヒスタミン遊離作用についても調べていく予定である。(申請者はHBD-2のヒスタミン遊離作用については、報告。Asia J Oral & Maxillofac Surg 2003年 in press)。また,顎嚢胞中に高濃度のデフェンシンを著者ら(Oral Surg Oral Med Oral Pathol Endodo Oral Radiol,90;78-81,2000)が見い出したことから、デフェンシンは,ヒスタミンの様な炎症性サイトカイン遊離作用を持つことにより嚢胞周囲骨の吸収を促進し,硬組織である骨内において嚢胞形成に関与している可能性が示唆され,その作用についても今後研究していく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koichi Sawaki, Tomoichiro Yamaai, Nobuyoshi Mizukawa et al.: "Mortality of human epidermal keratinocytes in co-culture with oral squamous cell carcinoma cells"Anticancer Res. (in press). (2003)
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[Publications] Nobuyoshi Mizukawa et al.: "Presence of human beta-defensin-2 in oral lichen planus and its histamine releasing effect on isolated mast cells"Asian J Oral Maxillofac Surg. (in press). (2003)