2002 Fiscal Year Annual Research Report
シスプラチン耐性癌内部環境下アポトーシス誘導因子を分子標的とした治療法の検討
Project/Area Number |
14571892
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
目瀬 浩 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (40325098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00170663)
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Keywords | CCDP(シスプラチン)耐性 / 固形癌内部環境 / グルコース飢餓 / アポトーシス / Glicose-regulated proteins(GRPs) |
Research Abstract |
平成14年度:CDDP耐性癌細胞のストレス環境下におけるアポトーシス誘導機構の解析 1.ストレス環境の付与 グルコース飢餓ストレスは,2-DG(2-deoxyglucose)により与えた。 2.グルコース飢餓状況下におけるCDDP感受性の検討 各培養細胞を24穴プレートに播種し24時間培養後,各濃度のCDDPと20mM 2-DGを添加し2日間培養後,生細胞数を計算した。生存率は,トリパンブルー色素排除法にて求めた。 3.GRP78,GRP94タンパクの検出 20mM 2-DGを培養液に添加した各細胞株をCDDP 10μg/mlの濃度で1時間処理した後,CDDPを除き24,48時間培養しタンパクを抽出し,7.5%のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を行った。SDS-PAGEで分離後,PVDF膜に転写し,GRP78抗体,GRP94抗体を反応させ,ECL Systemで化学発光させた。 4.アポトーシスの検出(断片化DNAのELISAによる定量) アポトーシスによって細胞質中放出されるDNA断片をCellular DNA Fragmentation ELISA Kit(Boehringer Mannheim社)を用いて定量的に分析した。まず,対数増殖期のA431/P細胞とA431/CDDP2細胞に20mM 2-DGを添加し,CDDP 10μg/ml存在下で24,48時間培養した。ついで,ペルオキシダーゼで標識した抗BrdU抗体を加え,450nmで吸光度を測定した。 その結果、1.2-DG(2-deoxyglucose)により与えたグルコース飢餓状況下において,A431/P細胞株はストレス蛋白をA431/CDDP2細胞株に比し強く発現した。2.CDDP処理によるストレスにおいてもA431/P細胞株はストレス蛋白をA431/CDDP2細胞株に比し強く発現した。3.グルコース飢餓状況下でのCDDP処理によりA431/P細胞株におけるストレス蛋白発現は経時的に明らかな増強を認めたが,A431/CDDP2細胞株では発現の増強を認めなかった。4.グルコース飢餓状況下におけるCDDP処理によりA431/P細胞株はCDDPに対して高感受性化を示しアポトーシスが有意に増加したが,A431/CDDP2細胞株ではほとんど変化しなかった。
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