2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイを応用したヒト顎関節滑膜細胞の病態遺伝子の解析
Project/Area Number |
14571915
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (10152448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 浩一 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80246917)
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Keywords | 顎関節 / ヒト顎関節滑膜細胞 / GeneChip microarray / interluekin-1β / out growth法 |
Research Abstract |
顎関節滑膜細胞は、顎関節部の恒常性の維持および顎関節疾患の進展において重要な役割を担っているが、その細胞生物学的、分子生物学的な性質については不明な点が多い。近年、ゲノム科学の進展に伴い、GeneChipやDNA microarrayが開発され、一度に多数の遺伝子発現を検索することが可能となった。これらの手法は病態関連遺伝子の解明にも大変有用である。本研究では、培養ヒト顎関節滑膜細胞の炎症性サイトカインIL-1βによる遺伝子発現変動を、Affymetrix GeneChipを用いて検索した。本学倫理委員会の指針に従い、変形性顎関節症あるいは顎関節強直症患者5名から顎関節滑膜組織を採取した。Out growth法にて得た培養ヒト顎関節滑膜細胞にIL-1βを作用させ後、total RNAを抽出した。Total RNAよりビオチン標識cRNAを作製し、GeneChip Human Genome Focus Arrayを用いて8,500遺伝子について発現解析を行った。滑膜細胞5例(TMJ1-5)について、無刺激の細胞とIL-1β刺激細胞での遺伝子の発現レベルを検索した。anova解析で有意な差が認められた遺伝子は170遺伝子であった。このうちIL-1β刺激でup-regulateした遺伝子は139遺伝子、down-regulateした遺伝子は31遺伝子であった。この170遺伝子についてOntology分類を行ったところ、enzyme、signal transducer、nucleic acid bindingに分類された遺伝子が多かった。また、クラスター解析によりIL-1βで上昇率の高い遺伝子群にはchemokine family memberが含まれており顎関節疾患の進展にchemokineが重要な役割を果たすことが明らかとなった。また、以上の結果から、GeneChipは病態関連遺伝子の検索に大変有用であることが示唆された。
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